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内容説明
「宿命の女」、「はかない女」、そして、「淫らな女」たち…。流れるような描線が姿態を愛撫する、エロスの極致。絡み合う男と女、女たちの密やかな行為…。一生涯、女たちを見つめつづけた画家が、欲望のおもむくままに熱狂的に制作したスケッチと、めくるめく装飾画の源泉である習作を油彩とともに紹介、素描家としてのクリムトの魅力を存分に伝える作品集。詳細な評伝と作品データを収録。図版約300点。
目次
ウィーンと世界―大いなる無節操
クリムトの歴史主義―1899年以前のグラフィックワーク
分離派の原則―裸の真実と真実の裸
クリムトの自然主義―1899年から1910年までのグラフィックワーク
抽象と感情移入―クリムトの装飾芸術
見ることと見られること―クリムトの目を通して
クリムトのモダニズム―1910年から1918年までのグラフィックワーク
自己と自我―クリムト、シーレ、ココシュカ
クリムトと芸術―少なく描いて多くを語る
著者等紹介
メッツガー,ライナー[メッツガー,ライナー][Metzger,Rainer]
1961年生まれ。ウィーンを拠点に活動する美術史家、著述家。リンツ工科造形芸術大学、シュトゥットガルト大学、カールスルーエ美術アカデミー講師。新聞、美術系専門誌などの媒体を中心に執筆活動を行なっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobi
65
奔放な生活も垣間見えるようなデッサンは数千点あるという。求道者のようにひたすら描き続けたクリムト。最期に向けて先鋭化してゆくようなエゴン・シーレに対して、親子ほど年の離れたクリムトは保守的というイメージは、この作品集を見て撤回。絵画という芸術が、人々にインパクトを与えていたのであろう時代とウィーンの空気を感じ、その絵画に生気を吹き込み続けた彼の凄さを知る。美術史家ライナー・メッツガーの、単独で本になるのではないかという程の解説も圧巻。見過ごしてしまいがちな違いを、節目を、位置付けを芳醇な文化的筆致で語る。2023/04/30
蘇芳
2
夜明け跨いで見る。タッチはエゴンシーレに影響されてた時もあるけど、少しリラックスしたエレガントが素敵。2011/03/01
春雨
2
クリムトが好きすぎる。金の色味も複雑な模様の組み合わせも素晴らしすぎる。こういう天才はきっともう現れない。猫も杓子もデジタルデジタル、自分で色を創って自分の手で塗らない、岩絵の具のような天然素材の本物の「色」も知らない、PCの中にあらかじめある色でしか絵を描かない、「アーティスト」気取りや「イラストレーター」気取りばかりが増えた現代を憂う程。美術に関して言えばこの時代に生まれたかった。2009/12/27
野々村 聡
1
住、環境……その行き着く先か、あるいは原初か。人というものがいて、表情がある。結局理屈はいいのだ、最終的にいや最初から人は幸福でなければならない。 グスタフクリムトはその意味での人の表情を見事に描いている。堕落と恍惚とのギリギリの見極めをしている。描いている。 と思われた。2019/06/17
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