奇跡の自転車

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  • サイズ A5判/ページ数 492p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105053512
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

スミシー・アイドは43歳。体重126キロ。昼間は兵隊フィギュアの製品管理で退屈な時間を過ごし、夜は酒と紫煙とジャンクフードに身を浸して漫然と日々を送っている。そんなある日、両親が自動車事故で死亡。葬儀を済ませ、遺品を整理していた彼は、父に宛てられた一通の手紙を開封する。それは、20年以上も消息を絶っていた姉ベサニーの死亡通知だった。こうしてスミシーは、いっぺんにひとりぼっちに―。放心状態の彼は、実家のガレージで少年時代の自転車を発見する。タイアの空気が抜けているのに気づいた彼は、ガソリンスタンドに向かう。それが、姉の眠るLAにいたる大陸横断旅行のスタートとなることも知らずに―。心を病んで奇行に走りつづけた姉。そんな彼女に振り回されながらも温かく幸せだった家庭。記憶をたどりながらひたすら西へとペダルを踏みつづけるスミシーを、優しくも残酷なアメリカの人々はどう迎えるのか…。

著者等紹介

マクラーティ,ロン[マクラーティ,ロン][McLarty,Ron]
ロード・アイランド州プロビデンス出身。1970年代前半に、作家を目指してニューヨークへ。小説・戯曲などの執筆に励む傍ら、役者稼業で生計を立てる。主な出演ドラマに『ロー・アンド・オーダー』『セックス・アンド・ザ・シティ』など。’04年に『奇跡の自転車』で作家デビュー。ニューヨーク在住

森田義信[モリタヨシノブ]
1959年福岡県生れ。大学卒業後、編集プロダクション勤務を経て翻訳家・文筆家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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redbaron

16
優しいよ~この本。世の中、悪いことばかりじゃないよね。亜米利加人って、こんな優しさをもっているなんて(偏見…すみません)自分から動き出せば何かが変わる。あたしも、もう少し動いてみるかな。2016/05/30

ボーダレス

14
スティーブン・キングが絶賛したことにより本になった作品ということで読んでみたが…。主人公は太めで、ベトナム戦争帰りでヘビースモーカー、アル中一歩手前。精神を病んでいた姉がLAで遺体で発見されたので自身の再生のため、自転車で行くことを決意。両親は自動車事故で他界。幼馴染は自動車事故で車椅子。自転車旅の行程で、トラックにぶつけられ、警官に発砲されたり等々と話の設定がオーバー過ぎて、なんだかなぁ? というのが私の意見です。2018/12/20

こまごめ

12
世の中に全く知られていないが、自分だけの特別なお話があるとしたら本作がそれにあたる。両親を突然亡くした主人公のスミシーがかつて乗っていたラレーの自転車で姉の亡骸があるロサンジェルスを目指してアメリカ横断の旅に出るというお話。そこはアメリカで旅も人生のように厳しい…とんでもない不幸な事もあるが愛する姉と再会する為にスミシーはペダルを漕ぐ。読み終えた時にしばらく涙が止まらなかったですね…それから何度もスミシーと旅に出て、この度文庫版でまた旅に出ます。2022/10/12

星落秋風五丈原

5
自転車以外の乗り物ならば、これほど短期間で多くの人々と出会う事はなかっただろう。エイズで最期のときを迎えようとしている花作りの農夫カール。かつてスミシーの命を救った戦友ビルの家族。新しい家族を作ろうとしている一家。ふたりの家族を一度に失った老トラック・ドライバー。彼等との邂逅と旅の過程に、回想場面が挿入される。回想の内容は、ずばり原題の『走っていた記憶』である。過去の記憶を辿る事で、心と精神についた贅肉がどんどんそげ落ちてゆき、再び「走る」スミシーへと生まれ変わる、これはビルドゥングス・ロマンでもある。2006/10/09

とりぞう

5
「ヒューマン」な小説。この手の小説らしく「仕掛け」はたっぷり。ただ、その「仕掛け」がとってつけたもののようにはなってなくて、きちんと消化されていることに好感。わりと面白い本だった。2009/10/23

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