出版社内容情報
反日でも、親日でもない、一人の在日中国人女性作家が、反日デモのさ中に帰省した北京で、何を見、何を聞き、何を感じたか。
日本人ジャーナリストには聞き出せなかった「中国庶民の本音」がここにはある!
内容説明
北京は感情の坩堝だった。人々は日本を罵った。共産党を呪った。不公平を訴えた。一中国人女性作家が北京の路上から採取した庶民の生の声。端正な日本語で描かれた迫真のルポルタージュ。
目次
第1章 機内からの手紙
第2章 北京滞在記
著者等紹介
沙柚[シャユウ]
中国、北京生まれ。文化大革命のさなかに、多感な幼少期を過ごす。大学で日本語と日本文学を学ぶ。1989年6月、天安門事件で戦車と軍隊が占拠する騒乱の北京を後に、日本に渡る。その後、出版関係の仕事に従事し、今日に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sk4
62
私は伊藤計劃の作品中のミームという言葉にとらわれている。法よりも上位の道徳に関わる概念で、長きにわたる祖先からのメッセージが伝わりアイデンティティや美意識、罪悪感、責任感など、人間らしさを形成する。被奴隷、戦争被害などに晒された場合はミームが欠乏し、宗教がその穴を埋める。アメリカは言わずもがな新興国家で、中国共産党政権も誕生間もない。中国は歴史が長いようでも中央は興亡を繰り返し、ミームが残るのは中央から遠い僻地だけだ。 中国で反日運動を起こす人は中央の親米家だと言う。21世紀は金ではなく愛の時代にしたい。2013/11/13
しぇるぱ
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作者は中国人で、天安門事件のころ出国して日本に留学、現在は日本人と結婚している。憤青とは、世の中に悲憤慷慨して暴れまわる若者を指し、日本に対して怒るのが通例です。サブタイトルに[中国の若者たちの本音]書かれた時代は2005年、胡錦濤・小泉純一郎の時代で、北京の日本大使館に投石があった。日本に留学して、自由と民主主義を認識してからは、憤青に対しては批判的だ。中国では歴史教育が一方的に偏っていることも承知しており、憤青化するのも無理はないと背景はよく判っている。いくら日本を理解していても、靖国神社に対しては2013/02/01
こっこ
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中国の若者達の本音2006/10/28