国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて

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  • サイズ B6判/ページ数 398p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104752010
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

出版社内容情報

有能な外交官にして、傑出した諜報員・・・。国を愛し、国のためを思い、対ロシア外交の最前線に飛び出した男はなぜ、国家に裏切られなければならなかったのか。

内容説明

「背任」と「偽計業務妨害」容疑で、東京拘置所での勾留生活512日。第一審判決懲役2年6カ月、執行猶予4年。有能な外交官にして傑出した情報マン―。国を愛し、国のために尽くしたにもかかわらず、すべてを奪われた男が、沈黙を破り、「鈴木宗男事件」の真実を明らかにする。

目次

序章 「わが家」にて
第1章 逮捕前夜
第2章 田中真紀子と鈴木宗男の闘い
第3章 作られた疑惑
第4章 「国策捜査」開始
第5章 「時代のけじめ」としての「国策捜査」
第6章 獄中から保釈、そして裁判闘争へ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サトシ@朝練ファイト

43
相変わらず読み易く、分かり易くしかも中味が濃く深い。内容を細々言っても仕方ないが、検察官も駒の一つに過ぎずむしろ問題は司法府にあり、裁判所が検察の下部組織であるということがよく分かる。「不作為は国益の損失を見えにくくする」箴言だ。2014/11/24

再び読書

36
読み応えのある本だった。国策逮捕なるものがあるのも初めて知る。外交の駆け引きも奥深い。ウォトカを飲んで吐きながら、交渉の土台を作る。まさに縁の下の仕事だ。ただ一国民としてその必然性に不透明さがある前提で、誰を信じれば良いか?政治家を含めたモラルの低さの為、何を誰を信じれば良いかわからない。本来敵である検察の西村氏との駆け引きが、この本のクライマックスに感じる。しかし、報道の恐ろしさをつくづく感じされる。当時ぼくを含む一般人の多数が、宗男憎しに感情を見事にコントロールされていた。マスコミはいい加減にしろ2017/08/03

absinthe

34
佐藤優の本の中では一番面白かった。仕事の現場にいたまさにその人でしかわからない事がたくさん書いてある。繰り返しもあり、少し未整理な観はあるがそれもまたかえって現場の雰囲気を強調している。情報収集・分析というのは魅力的な仕事だと思った。

James Hayashi

30
鈴木宗男議員や北方領土の事はもちろん知っている。しかし事件のあらましをよく知らず読み出したのでよく理解できず。この本を読む前に事前情報が必要。感じたのは主観的なものの見方で事件の全貌は見えず。収監中の食事や差し入れなどの待遇にも触れているが、かなり恵まれている。冷房の効いた独房での読書三昧も乙なものかも。2015/05/11

白義

25
再読してもやはり量産型作家になった今の佐藤優とはレベルが飛び抜けている。尋常じゃなく面白すぎて逆にノンフィクションとして疑念を差し挟む筆力と描写力だ。外務省内部での派閥争いと内紛がやがては国家全体の転換期を象徴付ける国策捜査に利用された、という構図をそのまま信用するのは不味いが、しかしこの大風呂敷こそが本書の最大の魅力だろう。更にそこに、検察との詳細を極めた丁々発止のやりとりや著者の人間観察、特異な思想が上手い具合に混ざって極上のエンタメ体験。無論鈴木宗男と佐藤優が無私の人とこの本で信じるのは無邪気すぎる2019/03/07

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