出版社内容情報
あの時、こんな風に言い返せばよかった・・・・・と「思い出し推敲」をしても、同じ状況は二度と訪れない。トゲの抜けるような爽快感、著者初の画文集。
内容説明
あの時、ああ言えばよかったと「思い出し推敲」し、「思い出し怒り」に駆られても、同じ状況はなかなか訪れない。記憶の波が、時おり押し寄せ、溺れそうになる…。脳内に散らばるよしなしごとを検索探訪し、ペンと画筆で描く、初の試み。
目次
燦めく星座
闇の向こう
退屈と戦争
秘伝
思い出せない
偶然にもそのとき
ジャングルの掟
悪夢の構造
刷り込み
HELP〔ほか〕
著者等紹介
フジモトマサル[フジモトマサル]
漫画家兼イラストレーター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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❁かな❁
199
フジモトマサルさんの作品を読むのは2作目。穂村弘さんの『にょっ記』シリーズの絵でも人気ですよね!森見登美彦さんやミムラさんもオススメとのことで読んでみました♬以前フジモトマサルさんの絵本を読んだのですがこちらは漫画とエッセイがセットになっている画文集*フジモトさんらしい独特でシュールな漫画が素敵★漫画のナマケモノ君いい味出てます(笑)漫画は夜の場面が多く寂しい雰囲気もあるのですがそれぞれのお話が深く哲学的にも感じられました*もうフジモトマサルさんの新作を読めないのが寂しいですね。最後の場面も切ないです*2016/04/16
ぶんこ
73
不思議な本で、一気に夢中になって読んでしまう、という本ではありませんでした。 数冊の本を読む間に少しずつ読みました。 今よりは繊細だった若い頃に読んだら、はまっていたと思います。 若い頃はまった大手拓次の詩の世界と似通ったものを感じました。 寂しいような、静かな世界。 詩のようで、エッセイなのですね。2016/03/03
keroppi
65
「ダンスがすんだ」を読んで、フジモトマサルさんに惹かれてしまった。エッセイのような短文と見開きの漫画が合わさって、不思議な世界観を作り出している。全体に漂う孤独感、寂寥感。床板を剥がすと、そこに大海原がある。心の内側にある深くて広い海原を一人舟を漕ぐ。2020/07/16
ユカ
53
図書館で。森見登美彦氏の『聖なる怠け者の冒険』の挿絵を描いた方のエッセイ+漫画です。ブラックなユーモアにあふれていて、わたしは結構好きです。にやにやしながら読みました。海と夜がたくさん出てくる。海と夜のイメージの本。Prrr、なるほど。フジモトマサルさんの別の本も読んでみたいです。感想というか認知したこと→ 人生はやっぱり妄想しないと楽しくないよね!2014/09/29
emi
51
故人となられた事を今知ったのですが、面白さを内に秘めた方だったのだなぁと思いました。エッセイ4P+漫画2Pで綴られる闇夜の中の唐突で突飛なユーモアが、あたためはしないけれど口角は少し上げてくれる…そんな本でした。淡々とややダークな妄想を突き進むのに、なんとも言い得て妙というか。うら寂しいのに、荒んではない。希望は特にないが、絶望はしない。心の中は誰にも見えないとはよく言ったもので、フジモトさんの心の中は、こうやって表現されて初めてわかるものだらけだったに違いない。独自の感性が光る一冊です。2016/05/22




