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ナニカアル

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  • サイズ B6判/ページ数 416p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104667031
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

今この一瞬、抱き合っていれば、愛さえあれば、たとえ罠だったとしても構わないー。時代に翻弄された林芙美子の秘められた空白を炙り出す衝撃作!

内容説明

昭和十七年、南方へ命懸けの渡航、束の間の逢瀬、張りつく嫌疑、そして修羅の夜。波瀾の運命に逆らい、書くことに、愛することに必死で生きた一人の女を描き出す感動巨編の誕生。女は本当に罪深い。戦争に翻弄された作家・林芙美子の秘められた愛を、桐野夏生が渾身の筆で灸り出し、描き尽くした衝撃の長篇小説。

著者等紹介

桐野夏生[キリノナツオ]
1951年金沢市生れ。成蹊大学卒。93年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞を受賞する。98年『OUT』で日本推理作家協会賞、99年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、04年『残虐記』で柴田錬三郎賞、05年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、09年『女神記』で紫式部文学賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

99
林芙美子という実在の作家が身を削るような筆で描かれているのに衝撃を受けました。波乱の運命の中で、それに逆らうように書くことと愛することに命がけだった姿は、まさに秘められた姿だったのだと思います。人妻でありながらのスキャンダラスさが、女の罪であり、林芙美子の奔放さを抉り出しているように体に突き刺さりました。どこまでが事実で、どこからが創作なのか、その境目はわかりかねますが、この作品は、かなりの覚悟のもとで描かれたという印象を持ちました。2016/12/12

barabara

75
聞けば聞くほど逸話の凄まじい林芙美子の女の部分をえぐり出した力作。戦場を開拓する、ある種ハレの日のような高揚感、経験もないのに共感してしまう。貧しさから這い上がったど根性気質が、当時のインテリブルジョワ文壇とは相入れなかった、人一倍激しい気性を持つ中、今より数段女性の貞操が重要視された時代にあれだけ奔放ならば、とかく叩かれ、抵抗し、時代のうねりの中、迸る才能と心情で続々と大作を生み出して行ったのだと思った。憎まれっ子で大物に意地悪された彼女が、小説内の女流作家の誰より現在も評価されてるのは皮肉。112013/04/20

ゆみねこ

69
桐野夏生さんの小説なのに、林芙美子の手記を読んでいると言う感覚を常に持ちながらの読書でした。とても読み応えがあり、いつまでも記憶に残りそうな1冊になりました。戦地に派遣されたペン部隊、徴用ではなく懲用だったとの記述がとても重く感じられました。2014/11/01

Tsuyoshi

64
桐野作品というだけで手に取ったのだが「放浪記」で一躍有名作家になった林芙美子を題材にした作品だった。彼女が戦中に徴用作家として赴いた中国及び東南アジア各国の数々や新聞記者との不倫や息子の出生の秘密など 後々出た手記を基に描れてある。いつもの桐野作品とは趣が異なっていたが、徴用作家の存在や日本国内と占領国との全く異なる状況に加え改めて知る林芙美子の奔放な人生に触れることができてよかった。2017/12/03

Yuna Ioki☆

64
1037-240-27 林芙美子作品や本人についてよく知らないが、「放浪記」は読んでみたくなった。フィクションとノンフィクションの境目が巧妙に隠されて、どこまでが真実なのか判断がつきにくい。太く短く激しく激動の時代を我がままに生きた女性だったには違いない。2015/06/18

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