内容説明
あれは事故だった。夫の使うチェーンソーの操作ミスで、私は小指を失くした。その後、彼は何も言わずに家を出る。それきり音信不通だった夫が、拳銃で人を撃った挙げ句、廃屋に立て篭もっているという。しかも、女子高生と赤ん坊を人質にして。被害者の家族を巻き込んで展開する説得劇のさなか、一発の銃声が世界のすべてを暗転させた―。
著者等紹介
牧村泉[マキムライズミ]
1960年、滋賀県生まれ。フリーランスのコピーライターをしながら小説を書き、『邪光』で第三回ホラーサスペンス大賞・特別賞を受賞してデビュー
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感想・レビュー
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きら
1
女子高生と赤ん坊を人質にとった男の立て篭もり事件が発生する。だが、本当の犯人は男ではなく女子高生の方だった。なぜ事件は起こってしまったのか。男の妻と女子高生の母親は、それぞれの立場から真相を求めるが…… ジャンル的にはミステリー? しかし、事件の当事者たちの心境や、そこに至るまでの経緯がほとんど憶測でしか語られず、どこまで行ってもすっきりしない。盛り上がる気配すらないまったくないままダラダラと完走。何もかもが霧の中のようでカタルシスは皆無だったため、読み終えて残ったのは消化不良からくる徒労感だけだった。2013/05/24
まつじん
1
痛い、じゃなくて”イタイ”作品ですな。 もうどうしようもなく後向きな”謎解き”容疑者も被害者も死亡してしまった後、容疑者(少女)の母親と被害者の妻があぁでもないこうでもないとのたうちまわります。 あぁ気分を落ちこませるには最適かもしれません。 しかも楽天にもAmazonにも画像がありません。 うーホラー・サスペンス大賞出身者の小説にはこれがあるから止められまへんな。思いっきりダウナー系です。 オススメしない作品です。2011/11/25