きつねのはなし

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  • サイズ B6判/ページ数 268p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104645022
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

京の骨董店を舞台に現代の「百物語」の幕が開く。注目の俊英が放つ驚愕の新作。

細長く薄気味悪い座敷に棲む狐面の男。闇と夜の狭間のような仄暗い空間で囁かれた奇妙な取引。私が差し出したものは、そして失ったものは、あれは何だったのか。さらに次々起こる怪異の結末は――。熱狂的支持を得た『太陽の塔』から三年、前作とはひと味違った端整な筆致で紡がれ、妖しくも美しい幻燈に彩られた奇譚集。

内容説明

京の骨董店を舞台に現代の「百物語」の幕が開く。注目の俊英が放つ驚愕の新作。細長く薄気味悪い座敷に棲む狐面の男。闇と夜の狭間のような仄暗い空間で囁かれた奇妙な取引。私が差し出したものは、そして失ったものは、あれは何だったのか。さらに次々起こる怪異の結末は―。端整な筆致で紡がれ、妖しくも美しい幻燈に彩られた奇譚集。

著者等紹介

森見登美彦[モリミトミヒコ]
1979年奈良県生駒市生まれ。京都大学農学部を卒業後、同大学農学部大学院修士課程修了。大学在学中に第15回日本ファンタジーノベル大賞を『太陽の塔』で受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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kishikan

198
妖しくてしかも美しい短編の独立した小説でありながら、それぞれがどこかでつながっているという、森見の真骨頂ともいえる小説。それぞれの読後感としては印象に残らないのだが、はてさて、心の底に沈殿した想いが、しばらく経ってから小さな泡、それも薄く淡い色付きな泡が、ふわふわと立ち上ってくるようなそんな感じの物語なのである。それにしても、森見の本を読むと、やはり京都に行ってみたくなるんだなぁ。2008/04/08

文庫フリーク@灯れ松明の火

174
闇を恐れなくなったのは幾つの時からだろう。幼い頃は家の中にも濃淡とり混ぜた闇が有った。そこに何か得体の知れないものが潜んでいる、と云う確信めいたあの感覚。天井の木目は時に愉快な顔や動物になり、時に気味の悪い〈何か〉に変わった。夜半独り目覚めしん、と静まった薄闇の中世界にたった独り取り残されたような心細さ。闇自体が質感を持ってまとわりつく。まして百鬼夜行、古都・京都の闇は深かろう。読んでいる最中は幻想小説と感じていた。質こそ違え『水神』に漂う生臭さはラヴクラフトの『インスマウスの影』→コメントへ2010/07/10

takaC

168
怖かった。昼間に読んだから良かったけど、夜一人で読んでたらゾクゾクしそう。「きつねのはなし」が最も怖かった。書き下ろしの残り三話はおまけのような感じ。2011/03/22

れいぽ

149
読んでいてケムに巻かれる軽妙なモリミー節も面白いですが、京都の怪しさを淡々とした筆運びで書き出したこの作品も好きだなぁ。各話、ちょこっとずつ重なる場所があって、その重なり方から別の話の顛末を想像できるおまけつき?ナツメさんと天城さん、狐面、古道具屋、、、じわじわと闇がしみ広がっていくようなそんな怖さがあります。先輩の話の顛末には意表をつかれました(^_^;)2010/10/19

しろいるか

147
森見作品らしい幻想的な短編集。4編の物語が芳蓮堂という古道具屋や不気味なケモノ、いわくつきの骨董など少しずつリンクしているのが面白い。雰囲気としては『宵山万華鏡』に似ているので、宵山~が好みならば楽しめると思う。それにしても、違う次元に連れ去られそうなゾクゾクした怖さが付きまとう。また、どの話も結末が曖昧なためか読後ヒンヤリした余韻が。ところで、最後の『水神』に出てきた樋口家は、『夜も短し』に登場した樋口さんと関係があるのだろうか?主人公の「私」があの樋口さんなのかな?2011/09/26

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