出版社内容情報
大切なのは速さではなく、強さだ。もっと強い走者になれ。
祝直木賞受賞！ 驚異の才媛が20代最後に放つ、書き下ろし1,200枚！ 感涙の超大型青春小説。
内容説明
箱根の山は蜃気楼ではない。襷をつないで上っていける、俺たちなら。才能に恵まれ、走ることを愛しながら走ることから見放されかけていた清瀬灰二と蔵原走。奇跡のような出会いから、二人は無謀にも陸上とかけ離れていた者と箱根駅伝に挑む。たった十人で。それぞれの「頂点」をめざして…。長距離を走る（＝生きる）ために必要な真の「強さ」を謳いあげた書下ろし１２００枚！超ストレートな青春小説。最強の直木賞受賞第一作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
文庫フリーク＠灯れ松明の火
690
本文Ｐ４６２・一部を勝手に変換して 『読書は、私を(あなたを)一人にするばかりではない。読むことによって、誰かとつながることもできる。読書という行為は、一人でさびしく取り組むものだからこそ、本当の意味で誰かとつながり、結びつくだけの力を秘めている』 かつて書店員をしていた頃、おすすめしたい本には手書きのＰＯＰで訴えることしか出来ず、まして読後感想をじっくり聞くことなど夢のまた夢。読書メーターと読み友さんのおかげで、夢がひとつなえられました。感謝です。『大手町で会いましょう！』→『読メで会いましょう！』2010/09/10
starbro
598
年始で図書館の配本が遅滞しているため、駅伝の季節の一月に、未読の三浦 しをんの名作『風が強く吹いている』を読みました。二日間、500頁強、往路・復路10区間完走です。噂に違わず、多少漫画チックではありますが、タイトルも中身も大変素晴らしい、箱根駅伝青春文学の傑作でした。 直木賞受賞第一作で、本書を書いているのも凄いです。 https://www.shinchosha.co.jp/book/454104/2021/01/14
めろんラブ
588
今年の読み納めは大好きなこちら。思えば読み初めも本作（文庫版）だったなぁ。さて、暮れも押し詰まって参りました。明けて１/２、３は心待ちにしている箱根駅伝♪強豪校は数あれど、下馬評通りにいかないのが箱根の怖さ。果たしてどんなドラマが・・・って『風が・・・』に全然触れてない～ｗかくも箱根駅伝に熱くなり、激走している皆さんに竹青荘の面々の姿を重ねてしまうのは、本作の素晴らしき「青春力」に感化されまくったから。この上ない爽やかさに◎を。キラキラ輝く風に汗に涙に喝采を！！2010/12/30
ちはや＠灯れ松明の火
406
青く澄んだ早朝の空に明星がひとつ、溶け残るように輝いていた。１月２日、同じ空を仰いで、其々の場所に立つ。肌を刺す空気は鋭く、胸の奥で不安の残り火が微かに燻ぶる。何のために走るのか、答えは、頂点は何処にあるのか、解らぬまま。けれど今この場所にいる、襷を繋いでいく仲間がいる、築き上げてきた日々がある、これから描かれていく道がある、自分のために、誰かのために。１０人の仲間達、２０組のチーム、喜びも苦しみも、各々抱く思いを走りに変えて、ひとつのゴールと消えぬ星の如き夢の続きを目指して、強く吹く風が導くその先へと。2011/01/02
よむよむ
364
皆さん、駅伝前に再読なさるのですね～ 読み終わってわかりました、その気持ち！ああ、録画でもいいから箱根駅伝が見たい！今見たいっ！走がハイジに襷をわたすところで泣けてしまいました。心から信頼できる仲間って、いそうでいないかも・・・彼ら１０人が本当にうらやましい。「ハイジさん、俺たちはずいぶん遠いところまで来ましたね」2010/03/06
