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デンデラ

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  • サイズ B6判/ページ数 331p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104525034
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

五十人の老婆が、奇妙なコミュニティを形成する現在の姥捨て山「デンデラ」。ある者は自分を捨てた村を恨み、ある者は生き永らえたことを喜び、ある者は穏やかな死を願う。様々な感情が渦巻く隠れ里は、一匹の巨大羆の襲来により、修羅場と化した。

著者等紹介

佐藤友哉[サトウユウヤ]
1980年生まれ。2001年『フリッカー式―鏡公彦にうってつけの殺人』でメフィスト賞を受賞しデビュー。エンターテインメントと純文学の境界を薙ぎ払い、ジャンルの概念を無意味にするかの如き縦横無尽な独自の作風で、熱狂的ファンを持つ。2007年には、『1000の小説とバックベアード』で、第二十回三島由紀夫賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんたろー

181
読友さんのレビューにつられ佐藤友哉さん初読み。地の文が語り部口調なのが馴染めず、途中まで苦戦し時間がかかったが、市原悦子さんのナレーションを想定したらサクサク進みだした(笑)。山に捨てられた老女たちの生き様を通し、生死の意味を考えさせられながら、熊との死闘によるアクションや仲間内の裏切りサスペンス要素で楽しめた。何よりも老女たちの逞しさが圧倒的で「幾つになっても女性には敵わないなぁ」と感心する。「姥捨て」があった時代は、これが現実だったのだろうと思わされるリアリティもある。映画化した作品も観てみたい♬2021/03/29

モルク

83
クマといっても羆という字を書くので北海道が舞台なのだろうか。その村では70才になると「お山」に連れていく姥捨ての風習がある。カユも極楽浄土を夢見て息子に背負われお山に行くが…。ずいぶん前にお山に行ったはずの老婆たちに助けられ「デンデラ」へ。そこはユートピアなのか。羆の襲撃(これがまたエグい)疫病や飢餓などで人数は減ってくるが、それでも羆に立ち向かう。執念(人間も羆も)あり献身あり読み応えがあった。平均年齢80才を軽く越え身体も頭も元気な婆たち。私はカユのように村に向かって全力疾走出来るだろうか。2025/02/11

とら

77
詰まる所この物語にハッピーエンドなどないのだろう。『村』を襲って終わるか『デンデラ』で飢えに苦しみながら暮らすしかないのだから。自分の恨み妬みで生きている様なもの。でもそれをも、熊が破壊する。ならば何の為に生きているのか。それは、生きたいからだと思う。『村』の決まりで理不尽に捨てられ、納得する人はいない。斉藤カユであっても。最後くらい充実して幸せに大団円を迎えたい、その一心なんだ。これは佐藤友哉さんが好きなのと登場人物が老人だけという設定に惹かれて読んだけど、裏切らなかったなあ。きっと極楽浄土にいけたよ。2012/01/13

みえ

52
人食い熊が出てくる本で有名そうなので読んでみた。 姥捨て山に捨てられた老婆達が、村人に隠れて住んでいる所に、人食い熊が現れた。それに立ち向かう老婆達。そんなアホな~と思いつつ、読んでしまった。文章はうまいな~と思った。今後読んでみたい作家さん。 過去に映画化もされてるようで、映像になったらどんな感じになるんだろう?と気になる。2018/04/23

kariya

42
老婆50人と熊とのバトロワ設定がまず凄まじい。70を迎えた老人は山へ遺棄する習わしを持つ村で、置き去られ死を覚悟したカユが目覚めたのは、『お山参り』を終えた筈の老婆達が暮らす村「デンデラ」だった。村への襲撃を計る者、密やかに暮らしたい者、それぞれの思惑が呼ぶ確執と、飢えた羆との闘いの結末は。ですます調を用いた寓話的文体は、やがて弱々しくも必死で生きて死んでいく老婆達への敬意とも見えてくる。すんなりと情景が目に浮かぶ最後の場面は、思いがけず清冽で美しい。尊厳とは、きっと自ら勝ち取るものなのだ。2009/09/06

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