内容説明
江戸の大店の若だんな一太郎は17歳。一粒種で両親から溺愛されているが身体が弱くすぐ寝込んでしまう。そんな一太郎を守るべく、手代に身を替えた犬神・白沢、屏風のぞきや小鬼が身の周りに控えている。ある夜、ひとり歩きをした一太郎は人殺しを目撃してしまう。あやかしたちの力を借りて下手人探しに乗り出すものの…。心優しい若だんなと妖怪たちが繰り広げる愉快で不思議な人情推理帖!第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。
著者等紹介
畠中恵[ハタケナカメグミ]
1959年高知県生まれ、名古屋育ち。名古屋造形芸術短期大学ビジュアルデザインコース・イラスト科卒。漫画家アシスタント・書店員などをしながら漫画家を志し、88年小学館の漫画雑誌でデヴュー。以後読みきりストーリー漫画を発表する一方、数年前より作家を目指す。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみきーにゃ
100
再読!また一からシリーズを追いかけていくつもりです。やっぱり面白い!!手代二人と一太郎のやり取りがすごく微笑ましく好き〜!一太郎が弱い理由には納得です。2020/10/23
ゆきち
88
すずらん本屋堂の時代小説特集のなかで、『時代小説は大人のためのファンタジーだ』と言っていた。たしかにそのとおりだと本作を読んで思う。妖(あやかし)が出てくるファンタジーなのだが読み応えがあり面白かった。キャラクターたちも好感が持て、新潮社のしゃばけコーナーを覗いてキャラクターのことを知りたくなったほど!このシリーズも追いかけよう♡2015/09/21
吉田あや
86
俗世間における様々な欲望に囚われる心〈娑婆気〉。名誉、お金、地位、欲望に果てはなく、辿り着く願いは『不老不死』。私は全く願わない想いであると思ってはいても、「あなたの命は今日までです」と云われれば、まだ死にたくないと思ってしまう。それは明日も明後日も同じく思うように、数年経とうとも変わらない想いだろうし、それは結局のところ不老不死を願っていないとは言い難く、生あるものの多くは「死」を避けようとしてしまう。でもそれが欲望とまでなると始末が悪い。(⇒)2020/06/30
mikea
78
ずっと読みたかったシリーズ。とうとう読み始めました。最近この時代ものと妖怪ものにハマってるので勢いにのせて。病弱な若旦那に仕える佐助と仁吉(妖)の行動、言動に笑ってしまいます。こんなに心配されいたれりつくせりされてみたい!若旦那が以外にも意思が強く、行動力があるのにこれからの展開にも期待できそうな予感です。楽しみ。2011/08/26
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
72
(2025-145)【図書館本-97】2025年新潮文庫の100冊、53(65)冊目。江戸の若だんな一太郎は身体が弱く、両親から溺愛されている。そんな一太郎を守るのは、手代化けた犬神・白沢や様々な妖達。シリーズ化されている作品ですが、初読みでした。妖怪達がたくさん出てくるファンタジーであると共に、一太郎が偶然見かけた人殺しの謎を解くミステリー。なるほど、こういう話だったのですね。10月からはアニメにもなるらしいです。★★★2025/09/23