内容説明
損失補填、飛ばし、利益供与など、相次ぐ不祥事から経営が極度に悪化した山一証券は自主解散を決定した。詰め腹を切らされるのでなく、自らの手で「立派に切腹する」ために、最後の株主総会にむけて残された者たちはいかに闘ったか。山一証券最後の二百日を、詳細な内部証言と豊富な資料で描く。迫真のドキュメント・ノベル。
著者等紹介
江波戸哲夫[エバトテツオ]
昭和21年、東京生まれ。東京大学経済学部卒。三井銀行(当時)を1年で退職し、出版社に勤務。昭和58年フリーとなり、以後、主に政治、経済周辺に題材をとった作品を精力的に発表している
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感想・レビュー
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Worldさん
2
大企業が倒産するのってめちゃくちゃ大変なんですね。大蔵省、銀行、諸外国の投資機関、個人投資家それぞれの思惑が全て交差していく過程からのラスト株主総会の流れは圧巻。破産寸前の会社を立て直すために借金までして自社株買いする社員なんてもうどこの企業にもいないでしょ…。財政悪化の原因から触れられていたが、バブルではっちゃけすぎたってだけでしたね。ドキュメントノベルとして大変面白い読み物でした。2022/10/22
depo
2
図書館リサイクル本。山一証券の最後を描くドキュメント・ノベル。社長が「悪いのは自分たちで社員ではない」と涙ながらに記者会見したのを覚えている。あの後にこういう事態があったとは、知らなかった。 2021/08/21
徳田隆志
1
山一破綻の裏側を詳細に描いた力作。 特に主人公の永井をはじめとする山一マン達の心理描写が興味深い。基本的に彼らは「被害者」だと考えていたふしが読み取れる。 法人、個人を問わず顧客または株主に対して、迷惑をかけた、申し訳ないといった表現がでてこない。逆に、助けてくれない大蔵省や銀行、叩き続けるメディアへの恨み節は盛りだくさん。ついには悲劇のヒーローになって、名門山一を「切腹」させるべく邁進する。 エリートの思考回路とはこういうものかと、大変勉強になった。2012/05/24
sakajin
1
山一最後の社員達。真面目すぎるだろ。でもこういう人が報われる世であって欲しい。2011/11/18
数之助
0
山一證券の破綻を株主総会を通じて描いたドキュメントノベル。2025/07/20
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