トワイライト・シャッフル

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  • サイズ B6判/ページ数 284p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104393060
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

窮屈な現実に追われてきたが、まだ思い出に生きる歳ではない。大佛賞受賞作『脊梁山脈』で「戦後」を描いた著者の現代小説。

歓楽の灯りが海辺を染める頃、ありえたかもしれない自分を想う。『脊梁山脈』で「戦後」を描き、大佛賞に輝いた著者の「現代」小説。宝石のような時間もあった。窮屈な現実にも追われた。まだ思い出に生きる齢でもないが、やり直せないところまで来てしまったのか。房総半島の街で自己を見失いかけ、時に夢を見、あがく、元海女、落魄したジャズピアニスト、旅行者、女性郵便配達人、異国の女……「これぞ短篇」「珠玉」としか言いようのない滋味あふれる13篇。

内容説明

老いた海女、落魄のピアニスト、ライムポトスと裸婦、家に辿りついた異国の女…。房総半島の小さな街で何かを見つけ、あるいは別れを告げようとしている男と女たち。夕闇のテラス、シングルトーンの旋律…。歓楽の乏しい灯りが海辺を染める頃、ありえたかもしれない自分を想う。『脊梁山脈』で「戦後」を描き、大佛次郎賞に輝いた著者の「現代」小説。

著者等紹介

乙川優三郎[オトカワユウザブロウ]
1953年東京生まれ。1996年「薮燕」でオール讀物新人賞を受賞し、小説家デビュー。1997年『霧の橋』で時代小説大賞、2001年『五年の梅』で山本周五郎賞、2002年『生きる』で直木賞、2004年『武家用心集』で中山義秀賞を受賞。2013年初の現代小説『脊梁山脈』で大佛次郎賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

紫綺

114
心地よい気怠さの残るジャズのような短編13編。哀しみや苦しみをサラッと描いている。比較的明るい「オ・グランジ・アモール」「私のために生まれた街」が好き。2017/10/05

初美マリン

91
彼の時代小説では、やりきれなさ、せつなさが、薄い幕に覆われていたが、現代小説になると、それが剥き出しなる気がした。まさに人生のTwilight2019/02/22

pdango

58
★★★★★この黄昏感がたまらない。文章も雰囲気も、時々チクチクっとするのも、好みのど真ん中だった。2019/02/11

キムチ

42
脊梁山脈に続く現代もの。しかも、大人のセピア色が勝った恋愛、渋い!方向性から言えば、伊織さん山口洋子さんものを思い出させるが乙川モノは一味もふた味も妙味。読み易い短編ばかりだが濃密な房総の時間を共有するのでひと息継げるのが嬉しい。凄いのはその濃さ。出だしの海女さんでぐぃっと引き込まれる。出てくる人は一見弱々しい・・なのに何故かしら渋さとと儚さが同居している。読み終えて気付く。乳幼児や子供が出てこない。人生を折り返した、人生ゲームで勝ち抜けていない、「何かなぁ」の一人ひとり。世の中の人間はきら星の方が少ない2014/09/18

B-Beat

39
◎「生きる」が面白く、その後積読本が溜るも次が読めてなかった作家さん、これが2作目。最近現代小説も書いているとかで、本作は2作目とか。房総半島の海辺の町を舞台に元々の住人や都会から移住者などを主人公にした13の短編集。ある編に読書する主人公にして「(田舎)に暮らしていても、小説の窓を通せば、世界は近いという気がする」「読むことで人間性も人生も膨らむ気がする」「他人の人生を触れると自分のそれを客観視できるようなる」「重たい現実は軽くなり、生きている空間は色づく」とその効用を説く。やはりいいな、こんな感じ。2015/04/14

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