スウィング・ジャパン―日系米軍兵ジミー・アラキと占領の記憶

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スウィング・ジャパン―日系米軍兵ジミー・アラキと占領の記憶

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  • サイズ B6判/ページ数 318p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104370030
  • NDC分類 764.7
  • Cコード C0095

出版社内容情報

占領期、焦土の日本でジャズを広めた日系米軍兵。彼がサックスを覚えたのは、強制収容所の中だった――。二世が辿った一つの昭和史。

焦土の日本にジャズを広めた二世、彼がサックスを覚えたのは鉄柵の中だった――。砂漠の中の強制収容所でサックスを覚え、占領期の日本でジャズを広め「神様」とまで称えられた日系二世。差別の中に育ち、長じてGHQ語学兵として赴任したジャズマンは、荒廃した「祖国」で何を見たのか。後に日本文学者の道を選んだその生き方から、戦中戦後の日米の姿に光をあてる。従来の占領史に一石を投じる傑作評伝。

内容説明

差別の中で育ち、高校時代を強制収容所で過ごした日系二世。GHQ所属の「アメリカ兵」として、戦後日本に赴任したジャズマンは、灰燼に帰した両親の「祖国」で何を見たのか。後に日本文学研究者の道を選び、信長も寵愛した「幸若舞」などに「日本人の血」を探ったその生き方から、戦中戦後の日米の姿に光をあてる。

目次

第1章 鉄柵の中の「日本人村」
第2章 ハリウッドへの道
第3章 米陸軍日本語学校
第4章 オキュパイド・ジャパン
第5章 ジャズと軍務と文学と
第6章 うずき始めた傷口

著者等紹介

秋尾沙戸子[アキオサトコ]
名古屋市生まれ。東京女子大学文理学部英米文学科卒。上智大学大学院博士後期課程論文執筆資格取得後退学。テレビキャスターを務める傍ら、民主化をテーマに、旧東欧・ソ連やアジアの国々を歩き、ジョージタウン大学大学院外交研究フェローとしてワシントンに滞在したのを機に占領研究を始める。著書に『運命の長女―スカルノの娘メガワティの半生』(第十二回アジア・太平洋賞特別賞)『ワシントンハイツ―GHQが東京に刻んだ戦後』(第五十八回日本エッセイスト・クラブ賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Willie the Wildcat

47
二世、強制収容所、戦中戦後・・・。培った音楽の素養が開花するジャズとの出会い。根底にアメリカ市民への思い。母親から贈られたクラリネットにもその思いが込められている気がしてならない。錚々たる面々への”魂”の伝道。但し、当初日本でビバップの受けが悪かった点が印象的。現代にも繋がる日本人の気質かなぁ。一方、自身のルーツを探求するかのような研究姿勢に、二世としての心底を垣間見た気がする。MISLSが転機。サッチモ等は当然も、個人的にはRニコルズなんだよなぁ。2016/08/28

takao

3
ふむ2020/02/29

masaYoshizuka

3
戦後ニッポンにビバップを伝えた日系二世ジミー荒木。その後彼は中世日本文学の研究者となって、ハワイ大学の教授になるんですなあ。 彼の人生はとても興味深い。才能ある人には素直に羨ましいと思ってしまいます。2013/01/29

ゆずこまめ

2
プロのミュージシャンとしてやっていけるくらいの才能を持ちながら、戦後は日本文化なの研究の道へ。 市井の文化人としての人生を貫いた人。 母国アメリカと両親の国日本への思いを感じた。2020/11/09

Schunag

1
終戦直後の日本のジャズメンは、ひとりの日系アメリカ人にビバップを教えられ、彼によってシーンは動かされた――寡聞にしてこのジミー・アラキの名は知らなかったけれど、本書ではとても魅力的な男として描かれている。晩年も、大学で日本文学の第一級の研究者でありつつも、週末はホテルのクラブにふらりと出かけてジャズを演奏してた、とか何そのカッコよさ。序盤は北米への日本人移民の歴史について語られるが、これは内容上、必要な手続きなので、ジミーさん登場まで我慢すること。その価値はあります。2012/11/29

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