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内容説明
乳幼児突然死症候群(SIDS)によって、毎年日本では2000人に約一人の割合で赤ちゃんが亡くなっているという。しかし、その原因はまだ解明されていない。原因不明であるが故に、SIDSで亡くなったのか、窒息死だったのか、死因を争う裁判も増えている。SIDSを正しく理解するにはどうしたらいいのか。最新の研究の成果、残された親のメンタル・ケアなども含め、医学、法律、心理学、さらに社会問題としてのSIDSを、わかりやすく、多角的にとらえた医療ノンフィクション。
目次
第1部 突然の死
第2部 苦悩
第3部 波紋
第4部 困惑
第5部 黎明
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
87
千代の富士の三女・愛ちゃんが生後三ヶ月で突然死亡したことで,有名になった「乳幼児突然死症候群(SIDS)」を扱った労作。原因不明であるがゆえに、親も保母さんもいわれのない非難を背負いながら生きているという その重い現実に、同じ子を持つ親として、思わずひきずりこまれたというのが、読後の素直な感想である。それにしても、毎年日本で2000人に約一人の割合で、SIDSによって、赤ちゃんが亡くなっているという事実はつらい。2010/05/26
OMO
2
面白さ:○ 興味:○ 読みやすさ:○ 新鮮さ:○ 文学的云々:×2024/04/02
Junko
2
この本が書かれたのが1997年ということで、ネットを調べてみたら、2016年現在でも原因は不明とのこと。何十年も前から取り上げられ、医学が発達した現在でも解明されないとは、まだ自分の意思を訴えることのできない赤ちゃんにとっては悲劇としか言いようがないし、お父さんお母さん、そして保育する側にとっても同じだろうと思う。自分の子供はもう二十歳を越えたが、赤ん坊の頃を思い出し、何度も涙が出そうになった。未来ある子供たちのためにも、一日でも早い原因解明を望むばかりである。2017/04/05
ぜぶらぞーん
2
本書中にも登場する佐藤医師が講師をされていた法医学の授業で、初めてSIDSという病を知った。本書が書かれるより、少し前のこと。残念ながら、未だSIDSの原因・防止策が明らかになったとは言えないが、必ず原因が突き止められることを心から祈る。子供の死は余りにも痛ましい。2012/08/03
ハノ
2
様々な事例と共にSIDSが引き起こす問題点がまとめられている。SIDS本来の突然死という問題だけでなく、原因不明の病気であることが逆手に取られているように感じるところは皮肉っぽくもあり、悲しくもある。早く原因が究明されることを祈ります。2010/05/13