内容説明
祖父・柳家小さんに導かれ、にぎわう寄席に足を踏み入れた少年は、やがて戦後最年少で真打となった。七光りを妬んだ人がいた。名人の芸そのままを求めた人がいた。悩んだ。逃げようとした。最悪の選択さえ脳裏を駆け巡った―。そして、柳家花緑は、俄然、面白くなった。今、最も注目されている落語家に、大宅壮一賞作家・小林照幸が徹底取材。師匠・小さんから、尊敬する先輩たち、そして新しい落語への挑戦まで、すべてを語る。
目次
第1章 まだ、誰もふりかえらない。
第2章 一八歳の挫折。
第3章 小さんという天才、談志という天才。
第4章 新しい落語をつくる。第5章 師匠とプリクラ、撮りました。
第6章 座布団一枚の宇宙で。
著者等紹介
柳家花緑[ヤナギヤカロク]
1971年、東京都生れ。78年、祖父・柳家小さんのもとで暮らし始める(94年、独立)。87年、正式に小さんに入門(前座名・九太郎)。89年、二ツ目に昇進、小緑と改名。94年、戦後最年少(22歳)で、真打に昇進、初代柳家花緑となる。にっかん飛切落語会努力賞、国立演芸場花形演芸会大賞、彩の国さいたま演芸場拾年百日亭大賞など多数の賞を獲得している
小林照幸[コバヤシテルユキ]
1968年、長野県生れ。信州大学経済学部卒。92年、明治薬科大学在学中に『毒蛇』(TBSブリタニカ)で第1回開高健賞奨励賞を受賞。99年、『朱鷺の遺言』(中央公論新社)で、第30回大宅壮一ノンフィクション賞を史上最年少で受賞
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