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出版社内容情報
両親と暮した葉山の家。ひとり暮しの札幌の家。歌をつくり、歌うこと――。背筋がぴんとのびた生き方を綴る待望のエッセイ集。
背筋のぴんとのびた、すがすがしい生きかた。デビュー40周年、待望のエッセイ集! シュガーベイブのメンバーとしてデビューしてから40年、透きとおった歌声と繊細でゆたかな音楽性で多くのファンに愛されてきた。葉山での両親との日常、庭にくる猫、秋田での田植え、買わない暮らし、歌をつくり、歌うこと、そして母を、父を見送り、札幌に新しい家を借りるまで――。8年間の暮らしを綴ったエッセイ集。
目次
田植えとおしくらまんじゅう
十八年目のただいま
守宮といつまでも
暗闇のなかの対話
ナマケモノを見に行く
歌う私、歌わない時間
地球は誰のものでもない
二十年ぶりの買い物
楽しいこと嬉しいこと
空蝉の夏〔ほか〕
著者等紹介
大貫妙子[オオヌキタエコ]
1973年、山下達郎らとシュガー・ベイブを結成。76年解散、ソロ活動開始。凛とした楽曲、澄みわたる歌声で、多くの人を魅了する。葉山と札幌に居を構えている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
jam
77
記憶に残る祖母は臥せっている姿だ。病床から空を見て「鳥になりてえ」と呟いたことが忘れられない。北海道から信州に嫁ぎ、ついぞ故郷に帰れなかったと聞く。さようならの章では還暦近い著者が、母を亡くし初めて大人になったと書き、母の不在に唐突として涙が溢れるという、母を恋う幼子のような心細さを表す。全章を通し、自身の生活を全うする姿にのびやかな歌声が重なり清々しい。そして私はこうした随筆を読むたびに、故郷に焦がれ空を見上げるしかなかった祖母の人生を思い、人が皆、様々なことを抱え生きていることを愛おしく思うのだ。2016/05/31
おくちゃん🌷柳緑花紅
73
あっという間に読み終えた。年齢が近いので、すんなり心に入ってくる。ただ、全く違うのは、自信と覚悟。まだまだたくさん足りない自分を知る!!買ったものの使わなかったあれこれ、でも無駄だったとは思わない、それらの全てがそのときの私なのだ。納得!!おかあさん、さようならの章では、母を亡くした時の事を思いだし、涙が…東京生まれの大貫さんが、葉山と札幌に家を持っているのにも、札幌民として、嬉しい。洗い物をしたあと、ハンドクリームをつけながら、しみじみ母の手に似てきたなぁと私も思う2015/06/11
むぎじる
44
大貫さんの後姿が印刷された装丁に魅かれて読んだ本。音楽家ならではの耳の良さもさることながら、環境問題に取り組んでいらっしゃることも、新しい発見になった。東京を離れることを決め、葉山で暮らしたご両親との日々や、そこで知り合った人々や猫たちとの関係、そして音楽を通じてつちかった人間関係など、大貫さんのさまざまな日々の暮らしかたは、何とも読み応えがあった。過去の買い物に失望するでなく、「その時の気持ちがカタチになった」という前向きにな考えにも脱帽。気持ちが清々するような読後感。2015/10/24
はこ
17
大貫妙子さん。透明感のある声、大好きなかたで、その暮らしぶりも静かで穏やかで、と想像しながら読みはじめました。けれど、ご自分の身の回りのことから、自然エネルギーのこと、原発、平和、一本筋の通った熱い気持ちが伝わって、本当に読みごたえのあるエッセイでした。お父様の戦争体験、ご両親のこと、エッセイを読んで涙するのも、久しぶりでした。2016/06/26
Kei
17
音は人なり。寝て、食べて、働いて、遊び、歳を重ねていくという当たり前の一生。 でも、ひとには、それぞれの役目があり、歯車のようにかみ合いながらゆっくり回っていて、古いものは壊れ、新しいものに置き換わり、時代が作られていく。その中にある、喜び、楽しみ、怒り、悲しみ、特に理不尽なことに対する気持ちが、静謐で精緻な文章から、声高に主張するでないのに、しっかりと感じられます。2014/03/09