内容説明
「人間なんぞみな、糞袋よ」時は江戸、舞台は京都。ひょんなことから、花街の糞尿配達屋を営み、あれやこれやと出世をとげた男の天晴れな人生。痛臭、洛中肥えたご綺譚。第7回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とんかつラバー
11
強烈なタイトルだがまずは壮絶なうんこ争奪戦に始まる。ふざけているわけではなく、昔の日本ではうんこは大切な肥料だった。主人公イチは花見の場で簡易トイレを設置し、大量の高品質うんこを獲得する。その後、変態趣味の旦那衆へ女郎のうんこの宅配サービスが大ヒット。京の都の旦那衆が集まってうんこの主を当てる糞当て大会が催される…間違っても食事中に読む本ではないが、昔の人のうんことの関係は今より遥かに生活に密着していたものだった。2022/02/15
pn675
3
第7回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。江戸初期の京都を舞台にした「御小水」と「おひねり」に身を捧げた男のファンタジー。テーマがテーマではあるがいやらしくは無く、随所に生物学的知識が光る。しりあがり寿のイラストも良い感じ。2019/09/11
しょうご
2
♪富士の高嶺に降る雪も 京都先斗(ぽんと)町(丁)に降る雪も 雪に変わりはないじゃなし 溶けて流れりゃみな同じ♪ 幼稚園の頃、よく聴いた懐かしの「お座敷小唄」である。”きょうとぽんとちょう”はどこの場所やら知る由もなく、”ぽんと”のイントネーション、独特の響きが面白くて、されどメロディーは哀愁が漂うギャップに、幼心に安堵感を覚えた強度の思い出がある。親戚が集まる法事などでお酒が入ると「お座敷小唄」で盛り上がっていた。母も上手だった。さて、この本はその「ぽんと丁」が舞台となっている。書のタイトル2014/03/02
まーぼう
2
糞は決して汚いものではないぞ(笑)と思わせてくれる軽快な話。私的には最後がちょっとダメかな2011/10/25
まぁちゃん
1
「面白い」とおすすめされた本…。 江戸時代、糞尿を売っていた事は知っていたけど、これはどこまで本当の話なのか…。 しかしビジネスを手広くやっていくイチは逞しかった。 でも、読むのがきつい場面も多々あり…。 現実にいた人の名前も出てくるし、でもどこまでが本当でどれがフィクションなのか…。 あんまり知りたくもないけど(笑)2022/05/31