出版社内容情報
先生はうまくしゃべれない。だから、“たいせつなこと”しか言わない――。涙を超えたほんものの感動に出会える最新作!
村内先生は中学の非常勤講師。国語教師なのに吃音を持つ先生の、一番大切な仕事は、ただ「そばにいること」。「ひとりぼっちじゃない」と伝えること。いじめ、自殺、学級崩壊、児童虐待……子どもたちの孤独にそっと寄り添い、だからこそ伝えたい思いを描く感動作。すべての中学生、中学生だったすべての大人に捧げる救済の書。
内容説明
村内先生は中学の臨時講師。言葉がつっかえて、うまくしゃべれない。でも、先生は、授業よりもたいせつなことを教えてくれる。いじめ、自殺、学級崩壊、児童虐待…すべての孤独な魂にそっと寄り添う感動作。
著者等紹介
重松清[シゲマツキヨシ]
1963(昭和38)年、岡山県生まれ。出版社勤務を経て執筆活動に入る。’91(平成3)年、『ビフォア・ラン』でデビュー。’99年、『ナイフ』で坪田譲治文学賞を、『エイジ』で山本周五郎賞を受賞。2001(平成13)年、『ビタミンF』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nyaoko
79
最初のお話から泣いてしまいました。吃音のある村内先生は臨時教員。一人ぼっちの子供の元へまるで導かれるように自然に訪れ、そして大切な事だけ伝えて去って行きます。どうか、ひとりぼっちの子供達にこんな先生に出会って欲しい。村内先生、私もあなたみたいな先生に会いたかったです。でも、この本で出会えて良かった。どの短編も胸が熱くなったけど、最後の「カッコウの卵」タ行が苦手な先生が、てっちゃんって呼ぶ度、子供達の嘘を信じてあげると一生懸命訴えた事、どれもこれも涙が止まりませんでした。宝箱のような一冊です。2015/12/10
つーこ
69
学生の頃に村内先生のような先生に出会っていたら、私の人生も変わっていたのだろうか・・・。あの頃は教師という大人を馬鹿にしてみていたような気がする。つまんない授業とか、わかりづらい説明とかに。こんなひねくれた大人になる前に村内先生に会って、話を聞いてほしかったな〜なんて思った。今からでも間に合うだろうか・・。2010/08/22
とろこ
68
とても良かった。自分の学生時代を思い出しながら、じわじわ・ウルウルした。重度の吃音という個性を持つ、国語科担当の、中年男性中学教師の村内。彼は、うまく喋れないけれど、その分、大切なことしか言わない。彼が主に関わるのは、やはり、自分の想いをうまく外に出せない生徒や、周りに合わせることが苦手な生徒だ。私が学生だった頃から思っていたのだけれど、優秀だったり明るい生徒は、多くの教師が可愛がる。けれど、「普通」から外れた生徒に手を差し伸べてくれる教師は少ない。この物語に登場する子たちは、村内先生と出逢えて良かった。2020/07/25
はる
65
吃音のある先生と、悩みを抱える中学生たちのふれあいを真摯に描いた物語。追い込まれ限界に近い子どもたち。だが、先生は多くを語らない。ただ子どもたちを信じ、そばにいてくれるだけ。そして、本当に大切なことを語ってくれる。安易なハッピーエンドではなく、光が差す程度。それでいい。最終章は感動的。2020/09/13
ユザキ部長
65
臨時の国語の村内先生は吃音ではっきり言って授業にならない。どもっちゃって何を言ってるかわからない。でもなんで学校の先生なのか?ひとりぼっちで寂しい思いをしてる生徒に「たいせつなこと」を言う為に。喋れなくなった子、イジメられた子、親に捨てられた子を「救う」でも「正す」でもなく、「たいせつなこと」を伝える為に。その子達に出会えて「間に合った」と言う。きっと笑顔が素敵な先生なんだろうなぁ。2013/08/11
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