ビタミンF

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  • サイズ B6判/ページ数 293p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104075034
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

炭水化物やタンパク質やカルシウムのような小説があるのなら、ひとの心にビタミンのようにはたらく小説があったっていい。そんな思いを込めて、七つの短いストーリーを紡いでいった。Family、Father、Friend、Fight、Fragile、Fortune…〈F〉で始まるさまざまな言葉を、個々の作品のキーワードとして埋め込んでいったつもりだ。そのうえで、けっきょくはFiction、乱暴に意訳するなら「お話」の、その力をぼく(著者)は信じていた。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のり

84
7話からなる短編集。大人の世界も子供の世界も色々大変なものだ。親目線からすれば子供の事はだいたいわかると思っているが、それは間違いである。いつの時代でも多感な時期なら反発心を抱くものだ。年齢を重ねた頃にはまた新たな関係性も出てくる。人間は思い悩む生き物であるが、それはそれで良いのかもしれない。親も子も生きてる限り成長していけばいいのだ。2021/08/11

matsu04

47
14年ぶり再読。真面目に普通に生きてきた40前後の男(ちょっと軟弱)が、父親として夫として、たぶん誰もが抱えるような家族の問題(当時の世相が色濃く反映されている)に直面し、本当は逃げたいけれど思い切って体当たりして、全面解決とはいかないまでも最後には少し明るい光が見えてくるという、いかにも重松清らしい家族モノ短編集。「セッちゃん」や「なぎさホテルにて」などは少し趣きが違うものの、やはりグッとくる。2015/09/28

ひこかつ

47
どの家庭にも起こりうる、日常の7つのお話。 「セッちゃん」は痛々しかった(;_:) 世のお父さん達にエールを送る・・・そんなお話ばかりでした。 心に残るサプリメントです。2015/01/20

あつひめ

44
父親ってすごーく難しいものなんだなぁ・・・と感じた。年老いた親の事、息子や娘の事、そして妻の事も考えなくちゃいけない。いったい、自分の事はいつ考えればいいんだよぉ~・・・と家に帰りたくなくなるのもわかる気がする。仕事ばかりしていると家族の事は見えているようで見えなくなってしまっている。それと同時に家族からも「透明人間父」と思われてしまう。無理する事はない。だけど・・・自分を必要とし、また大事に思っている人は必ず居る・・・それが家族の中での見えない絆なのかも。体に沁みてきたビタミンF。2010/11/29

punyon

43
どこかで読んだベタ褒めの書評が頭の隅に引っかかり、20年もの時を経てようやくゲット(笑)頭文字FのFamily、Father、Friend、Fight、Fragile、Fortune…がちりばめられた作品が7つ。6話目の「かさぶたまぶた」の自分を律し懸命にいい父親を演じる政彦が、完璧すぎるが故に周りから毛嫌いされて心が<ポキン>と折れてしまう姿が、過去の自分と重なり共感。現実はこんな簡単にはいかないが、光が見える結末こそ、心の中のわだかまりをほんの少し軽くしてくれる。あとがきの重松さんの言葉が温かい💕2022/09/03

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