内容説明
掘出しものもあれば、大化けする絵もある。魅力的な作品に出会ったら、次はモデルのルーツ探し。絵を買う愉しみ半世紀、限りなし。
目次
引き寄せて愉しむ鏑木清方と小村雪岱二つの『註文帳』
「水兵」が消えた!鏑木清方『註文帳』承前
天心・大観にニラまれた不遇の尾竹竹坡・国観兄弟
憧れは少年飛行兵(宮本三郎ほか)
陸軍副総裁から旅絵師へ藤沢志摩守の波乱の転身物語(藤沢梅南)
川上冬崖、憤死す
絵を買う最初(吉田博)
我が贔屓の芳年一派(月岡芳年・水野年方・金木年影ほか)
“生と性に喘いだ”都会派秦テルヲ
外国人画家の“ニッポンよいとこ”どり(メンペス・レガメー)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まめはち
1
東京都現代美術館のコレクション展にて福富太郎コレクションを拝見して、福富太郎さんご自身について知りたくて読みました。戦争と重なった少年期の体験、向井潤吉や鏑木清方との交流など興味深い内容でした。たんなるコレクターではなく、画家さんと交流し、作品について研究される姿は実業家とは違った一面をお持ちで感心しました。福富さんの思いのこもったコレクション。一見の価値があります。2020/01/28
クリフトン
0
観てから良いと思うよりも 本当は見たかった何か 忘れてしまっていた何かを探るようなことこそが 絵を観るということなのかもしれない そんなことを考えさせられた 蒐集家 好事家の桃源郷の如き本でした 2021/08/04