内容説明
草むらに寄り添い立つ男女像…道祖神。その魅力につかれて各地を訪ね歩いた民間研究家グループ20年のフィールド・ワーク。けっして歴史の表舞台に現われることのなかった庶民の性信仰の流れがみごとに解き明かされます。巻末に道祖神散歩ガイド。
目次
1 石への信仰
2 男女が寄りそう道祖神
3 男女像が魔を遮る
4 玉石も道祖神
5 柱をめぐって
6 疫神と怨霊払いの祭事
7 文字碑のこと
8 道祖神の祭り
9 小正月といわれる日
10 道祖神散歩
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
6
「道饗祭で疫神に献げられる牛、熊、猪、鹿の皮はどんな呪法にしたがっているのだろうか。中国古代の俗信に厲鬼は黄熊の姿をしてあらわれるとか、「山海経」の一つでは牛の如しとあるので、この四種の動物は疫癘の姿を示しているのか。それにしては中国の大儺という祭事では、疫神を追い払うものとして枝わかれした大きな角をもった鹿の姿の鬼が登場するという。だいいち鹿は藤原氏の氏神・春日神社の神使ではないか。ではこれらの供物は呪法というより、狩猟民族の血を濃くのこす西・北中国の祭祀の供物の遺風なのだろうか。」2020/07/20
mimm
1
…招かれました。 近所にいくつか庚申塚だの石碑が残っているので、まずそこから見に行こうかな、と。(でもうちの近所のは馬頭観音様だ。歴史的には浅いのかな? あと江戸末期か明治に移設されている可能性もあるのがちょっと) 昔の日本人と、今の日本人の性格(価値観)って、180度違うことがよく分かります。子どもに対してのおおらかさや、性的方向性が明け透けなど。女性には今の環境のほうが、暮らしやすいのかもしれないですけどね。私も今のほうがいいや。伝統行事的には、複雑に思うこともあるけど。2017/05/05