内容説明
谷川俊太郎、鮎川信夫、大岡信らが登場した戦後詩の幕開けに力を尽し、詩書出版社主として、文字通り、戦後詩壇の多くの詩人の“生き証人”である著者が、現代詩と詩壇の展開を臨場感溢れる語り口で綴る。戦後詩とともに生きた出版人の画期的な回想記。
目次
口語の詩から日常語の詩へ
谷川俊太郎と鮎川信夫
「われわれ」から「私」へ
戦後詩の夜明け
遺言執行人の登場
「戦後詩」とはなにか
遅れてきたドン・キホーテ
「これがすべてのはじまりである」〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sk
4
現代詩の本の割には面白く読めた。2023/05/05
misui
4
思潮社を創業した小田久郎による戦後20年に渡る回想記。戦後詩壇の消長、詩人や雑誌の思い出が、時代を歩んだ当事者の手で綴られている。現在も有力な出版社であり続ける思潮社および関係各社の舞台裏がわかるとともに、戦後詩の変遷を大まかに知ることができて、戦後詩を読むにあたっての裏付けが得られたように思う。一時代の証言として貴重な一冊。2013/06/17
misui
2
再読。ある程度知識がついてから読むとぐっと面白くなった。現代詩文庫が創刊されるあたりまでの詩壇状況がよくわかるし、ユリイカは書肆ユリイカ時代から総合芸術雑誌を目指していたなど、現在に直接繋がるところも。2015/01/26
kohaku
0
『文章クラブ』、『世代』の編集者で『現代詩手帖』を創刊した小田久郎が当時の文章をたっぷり引用しながら二段組み500ページで草創期の詩壇ジャーナリズムを描いた本。著者はなかなかあくの強い人物で、筆致もあけすけなので読んでおもしろいことに関しては保証したい。元ジャンプ編集長が書いた『さらばわが青春の少年ジャンプ』みたいな感触だ。とくに旧来の有力同人誌中心の詩壇の崩壊と商業誌中心の戦後詩壇ジャーナリズムへの意向を象徴する「H氏賞事件」を描いた章はは、面白かった。(エグくて)2013/05/30
岡部淳太郎
0
図書館で借りて読んだ。