内容説明
借財は歳入の八十年分。貧窮の越前大野藩を蘇生させるべく、刀を捨て、天賦の商才と経済感覚を武器に改革する侍、内山七郎右衛門良休。藩直営の特産店「大野屋」の設立、流通革命、価格破壊を施し、蝦夷地への開拓投資など奇策を弄して、藩を復興させた新しい経済武士の生涯を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
punyupunyu
13
          
            幕末から維新にかけての体制の転換に関わった人々について、幕府側、官軍側、ともに様々な人物の視点で本が書かれている。そんな時代に、武力でも政治的な権謀でもなく、むしろ旧態の武士の有り様を越えて、商才を極め財政難に立ち向かった人物を主人公に据えている。商才は藩政を支えたばかりでなく、時代を読みきった。順調すぎてドラマ性にかけるようにも感じたけれど、新鮮さは十分。内山七郎右衛門は、坂本龍馬にも負けないくらい先進性を感じる人物でした。2015/05/30
          
        Mituya Hasegawa
5
          
            へたなビジネス書より勉強になる!そして時代小説としても面白い!2014/08/29
          
        ウララ
5
          
            収入の80年分の負債を抱えた大野藩の立て直しの話。『和算小説の楽しみ』からの流れで読んだ。前半、内山七右衛門が大野屋を作り自ら商人となって改革していく展開はもちろんおもしろい。が、後半の大政奉還、御一新、明治政府への以降という時代の流れは小藩からみるとこんな風なのか、とわかって興味深かった。武士にこだわらず、時代の流れを読み取る能力が素晴らしい。2013/09/19
          
        りんふぁ
3
          
            幕末〜明治にかけて、大野藩(福井県)の話。藩の借金を返済するため、一人の武士が商家で商いを学び、藩を支えつつも商人としても活躍していく。素晴らしい手腕と先見の明。けれど、そこには藩の行く末をひたすら思う心があったからだな。内山七郎右衛門良休、素晴らしい方だ。2015/01/14
          
        りこ
3
          
            内山七郎右衛門の名を福井県に暮らしながら知りませんでした。と言うのも由利公正の方が有名だからです。二人とも福井出身で同じく幕末の藩の財政危機を黒字に転じたのですが、この本を読むと、なるほど由利とは違う財政手腕とその方向性に驚きました。この二人が今居たら日本の財政危機も乗りきってくれる気がします(笑)
          
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