松本清張の女たち

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松本清張の女たち

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  • サイズ 46判/ページ数 240p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103985112
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

出版社内容情報

衰えぬ人気の陰に「女」あり。新たな切り口で読み解く「令和の松本清張」。雑誌の個性に合わせて作品を書き分けた松本清張が、アウェイの女性誌で書いた小説群に着目。そこに登場する女性主人公たちを、お嬢さん探偵、黒と白の「オールドミス」、母の不貞、不倫の機会均等といったキーワードを軸に考察し、昭和に生きた女たちの変遷を映し出すと同時に、読者の欲望に応え続けた作家の内面に迫る。


【目次】

内容説明

お嬢さん探偵、黒と白のオールドミス、不倫の機会均等…衰えぬ人気の陰に「女」あり。〈女性の業〉を誰よりも深く肯定した松本清張。彼が女性誌に書いた作品群を読み解き、その予見力を明らかに。清張の「悪女と昭和」がいま甦る!

目次

女性誌と松本清張(初めての女性誌連載―『神と野獣の日』『大奥婦女記』;お嬢さん探偵の誕生―「張込み」『ゼロの焦点』;お嬢探偵の限界―『蒼い描点』『黒い樹海』『紅い白描』 ほか)
昭和の女と松本清張(殺す女、殺される女―「声」「典雅な姉弟」「内なる線影」『強き蟻』;素人悪女と玄人悪女―「一年半待て」「地方紙を買う女」『黒革の手帖』『強き蟻』『けものみち』「疑惑」;黒と白のオールドミス―「馬を売る女」『ガラスの城』『黒い樹海』 ほか)
母と妻と松本清張(清張の母、清張が描く母―『半生の記』「火の記憶」「天城越え」;女の欲望はタブーを破る―「歯止め」「鬼畜」「突風」「指」;それでも旅する女たち―『波の塔』『山峡の章』「見送って」「顔」 ほか)

著者等紹介

酒井順子[サカイジュンコ]
1966年東京生まれ。高校時代より雑誌「オリーブ」に寄稿し、大学卒業後、広告会社勤務を経てエッセイ執筆に専念。日本の女の生き方・考え方をテーマに据え、2003年に刊行した『負け犬の遠吠え』はベストセラーとなり、講談社エッセイ賞・婦人公論文芸賞を受賞。30代以上・未婚・子のいない女性を指す「負け犬」は流行語にもなった。古典作品にまつわる著書も数多く、『枕草子』の現代語訳も手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

124
映画やドラマの影響か清張作品に登場する女は悪女のイメージが強いが、実際は理不尽な運命に抗う女だった。犯罪に巻き込まれた良家の子女が真相を探ったり、思いがけず転落し被害者や加害者にもなってしまう。金や自由や性の欲望を満たしたいと願い、女を低く見る時代に男と伍して生きようと知恵を絞り、時には暴走し取り返しのつかない結果を招く。女の美しさだけでなく黒い部分を描き出したからこそ、清張ミステリは読者に支持され令和の世までも読み継がれたのだ。繰り返し映像化されるのも、黒い女を演じる女優が飛躍する契機になるからだろう。2025/08/09

ぐうぐう

36
社会派推理というジャンルを切り拓いた松本清張だが、作品を読み進めていくと、意外と読者サービス旺盛な作家だったのだなと気付かされた。酒井順子『松本清張の女たち』を読んで、改めてそのことに気付かされる。女性誌に連載するにあたって、他の媒体では書き難かった内容を書こうとする清張は、と同時に掲載誌の読者層である女性達にいかに喜んでもらうかを意識して小説を書いている(「女性自身」と「婦人公論」で内容を書き分けていることでも、それは明らか)。(つづく)2025/08/12

まー

14
酒井さんの本なので読んでみたけど、松本清張は不勉強なため、もっと著作について知っていたら楽しめたかなという感想。2025/08/13

グラスホッパー

13
高校生の時から読んでいる松本清張を、60歳過ぎてまた、読んでいるが、タイトル、文章、文体、ストーリー、古さを感じないのは、普遍的な人間の欲望を描いているからである。本書を読み、女性に焦点を絞ると、悪女、毒婦、女狐、姦婦など確かにすごい女性像であった。2025/07/05

TI

11
これは松本清張と愛人という話ではなく清張の本の中に出てくる女性、特に主人公について。簡易的なガイドにもなってる。分類もお嬢さん探偵や転落お嬢さん、黒いオールドミス・白いオールドミス、職業による分類(水商売、マスコミ、一般など)と多彩で面白い。個人的にかなりヒット。星4.2025/07/27

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