出版社内容情報
僕にとって、これほど大切な一冊はない――。完成度を求めつづけ、生前ついに刊行されなかったライフワーク。すべてのカットから精選し、アラスカへの思いを綴った撮影日誌も初収録した決定版。
内容説明
完成度を求めつづけ、生前ついに刊行されなかった幻の写真集。すべてのカットから精選し、アラスカへの思いを綴った撮影日誌を初収録した決定版。
著者等紹介
星野道夫[ホシノミチオ]
1952年千葉県市川市生まれ。73年にアラスカに渡り、シシュマレフ村でイヌイット(エスキモー)の家族と過ごす。76年、慶應義塾大学経済学部卒業。78年、アラスカ大学野生動物管理学部に留学。以後、アラスカの人々、自然、野生動物を撮りつづけ、多くの国内誌をはじめ「ナショナル・ジオグラフィック」「オーデュボン」などに作品を発表。86年に第3回アニマ賞、90年に第15回木村伊兵衛写真賞を受賞。96年8月8日、取材先のロシア・カムチャツカ半島クリル湖畔でヒグマの事故により逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
ひのきの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遠い日
14
(読んだ本とは書影が異なるのだが、発行日は同じなのでこれでいいのかしら)いつもながら星野道夫さんの著作には、こちらが怯むほどの熱があり、圧倒される。シルエットになったカリブーたちの息吹が感じられる写真集。極北の厳しい大自然に生きることは、いつもいつでも「死」と隣り合わせ。けれども、生きることに一糸の迷いもない彼らに畏敬の念を抱きます。2020/10/01
ポテンヒット
11
星野さんにとってカリブーはアラスカの大自然を象徴する生き物のようだ。強さ、脆さ、美しさ…この大地にある全てを内包する存在。以下は、心に残った文章。時間について「最後に意味をもつのは 結果ではなく 過ごしてしまった かけがえのないその時間である。」先住民について「彼らはピラミッドも神殿も建てはしなかったが 自然を変えなかった。狩猟民が持つ自然観は 私たちが失ってきたひとつの力である。」2023/03/04
ちゃちゃ
11
星野さんの言葉が写真をさらに魅力的な物にしています。川を渡っていくカリブーの写真が好きだなあ。この世界に,人間の事情を持ち込んではいけないね。2013/08/15
木ハムしっぽ
9
アラスカ極北のツンドラ大地で生きるカリブー(トナカイ)の群れを追った写真集。カリブーは1年を通して1000km以上もかけて出産地に集まり、越冬地へと別れながら移動するという。星野道夫さんの文章と共に写真を眺めると極北の地の雄大な自然と、そこで何千年と繰り返されてきたカリブーの営みを感じる事ができる。滅多に出会えないという出産。その直後の親仔を追った写真が特に切なく印象的だった。2023/11/03
でんすけ
8
写真集です。好きな一枚の写真が載っています。河をわたるカリブーの姿。水しぶきを上げながら泳ぐその姿は、逆光になっていて、しぶきが太陽の光で輝いていて星のようでした。「自然はいつも、強さの裏に脆さを秘めています。そしてぼくが魅かれるのは、自然や生命のもつその脆さの方です。」2023/12/18
-
- 和書
- 白夜 角川文庫