内容説明
33人の詩人の現代詩をとりあげながら、日々折にふれて感じることや過去のさまざまな思い出を自由自在に語る。「王貞治が6番を打つ日」を読みながら藤村富美男を初めて観た日を回想し、「女の自尊心にこうして勝つ」では女性に対する苦手な想いでオロオロする。身近な日常にひそむものをあたたかい眼でみつめるエッセイ集。
目次
見ててごらん見てた?―「みずはつめたい」辻征夫
涙流させにだけくる人―「あけがたにくる人よ」永瀬清子
「男」にとっては、コワい詩―「男について」滝口雅子
「当たり前」という感覚―「青い夜道」田中冬二
正確な食事の思想―「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」石垣りん
日本人のプライド―「日雇手帳」川崎洋
“かわいそうなひと”と“正義”―「やせた心」中桐雅夫
生き残る側でのみつくられる“死後の世界”―「死後の世界」黒田三郎〔ほか〕