内容説明
蝮の吉次と呼ばれる俺にだって、昔は恋女房がいた。そりゃあ逃げられたよ、逃げられたが、江戸一番のいい女だった。それが…。江戸の庶民の哀歓を描いて「うまい」と大向うをうならせた森口慶次郎シリーズ、待望の第二弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Makoto Yamamoto
16
初めての作家さんで、このシリーズ第2巻目から手に取ることになった。最初登場人物の関係が理解できてなくて苦慮したが、慣れるに従ってドンドン読み進めることができた。 今回はいろんな再会があり、必ずしも同心が犯罪者を挙げるとという事ばかりではないのが興味深い。 確かに、役所に呼ばれると時間とお金がかかり過ぎるので、商家は嫌がったとの話も聞いているので、ウンウンと頷きながら読み終えた。決してスッキリとした締め?があるわけではないが、まあいいっかって感じ。2022/05/07
ひろん
11
慶次郎縁側日記2。辰吉の再会、慶次郎の再会、吉次の再会。それぞれ過去に縁の有った女性との再会について。「最良の日」富くじが当たれば神様にお許しいただけたと所帯を持とうというのが、哀しい。2014/01/12
どりーむとら 本を読むことでよりよく生きたい
9
舞台は江戸時代だが、現代にも通じるような悩みを抱えて生きている。 たとえば、お金には困っていないが、親戚から疎まれて孤独を感じ、詐欺だと知りながらも相手と関係を続けてしまう老人。 また、相手が学問で身を立てることを夢見てそれを支えていたが、盗みを働いてしまう女性。 失業した夫を抱え、生活に苦しむ女性。 美人で大店に嫁いだものの、子どもができないことや夫の浮気が原因で離縁され、手切れ金を受け取ったが、自分の魅力の衰えを感じて悩む女性。 今も同じような気持ちを抱えて生きている人々の心情を理解することができた。2025/07/25
Kira
6
図書館本。第二集。文庫版既読。慶次郎も養子の晃之助も問題をかかえた人々の相談に乗っては、親身になって解決の道をさがすというパターンが定着したようだ。それもいいのだが、シリーズの終盤に見られる、人々を静かに見守るというのも味わいがある。シリーズの最初のあたりと最後の方を読み比べると、違いが見えてきて面白い 体験をした。今回は特に、吉次が昔の女房おみつに再会する「再会三 恋する人達」が印象に残った。蝮と呼ばれて嫌われる吉次だが、淋しがりやな面を見せることもあるのだなと。 2020/02/26
みかりん
5
シリーズ第2段。今回はいろんな再開がありました。決してスッキリとしたオチがあるわけでは無いのですが、とっても良いですょ。2018/05/09