内容説明
時間とは変化である。変化とは無常である。古今東西のすぐれた文学は移ろいゆく季節とゆたかに交感し、ときには人間の愛や生死を重ね合わせ、いかに“永遠”なるものを刻み込んできたか。本書は、1994年1月から6月まで、六回にわたり、紀伊国屋ホールで開かれた新潮社文化講演会で「文学の歳時記」と題して著者が話をしたテーマにそって書いたものである。ワープロでおこされた著者の講演原稿を読み直し、「口語表現」と「記述表現」とのちがいから、あらためて主旨を綿密にする必要を感じ、さらにつけ加えたい多くの事柄があることを考えて、書き直し、今度は「書下ろし」の形で出版されたものである。
目次
春
夏
秋
冬
恋(相聞)
旅
雑