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仏典をよむ―死からはじまる仏教史

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  • サイズ B6判/ページ数 319p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103864028
  • NDC分類 183
  • Cコード C0015

出版社内容情報

仏典を読み解けば仏教の真髄がわかる。
仏陀の最期と信仰の始まりを記した『遊行経』、菩薩として永遠に他者と関わり続けることを説く『法華経』、徹底した否定を繰り返す『般若心経』、仏教の日本化に心砕いた最澄や空海、親鸞、日蓮──。ダイナミックに変化した仏教の精神を辿る、集大成的力作。

内容説明

仏典は「今に生きる思想書」である。その精神の遍歴をたどる集大成的力作。『遊行経』から『法華経』『般若心経』『教行信証』『正法眼蔵』に至るまで、仏典の起源は、ブッダの「遺言」に遡る。「浄土・空・密教・禅」―多彩な思想の華を開き、ダイナミックに変化した、仏教の真髄を読み解く。

目次

第1部 死からはじまる仏教(大いなる死―『遊行経』;死と生の協奏―『無量寿経』;他者と関わり続ける―『法華経』;否定のパワー―『般若心経』;心の中の地獄と仏―智〓(ぎ)『摩訶止観』
禅の中の他者と死者―圜悟『碧巌録』)
第2部 日本化する仏教(現世を超えた秩序―景戒『日本霊異記』;仏教は俗世に何をなしうるのか―最澄『山家学生式』;この身のままに仏となる―空海『即身成仏義』;贈与する他者―親鸞『教行信証』;脱構築から再構築へ―道元『正法眼蔵』;宗教国家は可能家―日蓮『立正安国論』;異教から見た仏教―ハビアン『妙貞問答』)

著者等紹介

末木文美士[スエキフミヒコ]
1949年、山梨県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授を経て、2009年4月より国際日本文化研究センター教授。専門は仏教学、日本宗教史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

井月 奎(いづき けい)

32
漢文による仏典から鎌倉新仏教までの仏典を読み解こうという野心的な本です。大乗仏教が日本において土着化すると、独自の発展を遂げたことがわかります。仏教が日本と相性が良いこと、もともとアニミズム的な宗教観を持つ日本人においては大きな流れではあるけれども仏教もまた八百万の神々の一つとみなされたのではないでしょうか?それは現在の日本人が、宗教的生活を重んじながらも無宗教と自らが思っていることにもつながるように思いました。哲学的な近代仏典も興味はありますが、ダイナミックな世界観を示す漢文仏典も実に魅力的です。2019/09/17

じょうぶなことり

2
いろんなお経のあらすじくらいは一度読んでおこうかな、くらいの軽い気持ちで手に取ってみたら、仏教の特徴、教理、思想性、歴史等々を含む非常に広範かつ深遠な内容で、大変読み応えがあり面白かった。副題にある「死」や、くり返し出てくる「他者」にまつわる考察は、哲学書を読んでいるよう。仏典の経文そのものは一部分しか取り上げられておらず、その解説や考察がメインの内容なので、個々の経文自体を読みたいという人にはこの本は向かないけど、仏教の基礎について、少し踏み込んで学びたい人にはかなり良い本だと思う。2018/01/21

くれは

2
そもそも修行者が「個人」として空と縁起を悟ることが目的であったはず仏教ですが、救いのために「他者との関わり」と向き合い始めてしまったがために、仏教者たちは長く険しい迷いの道に踏み入ってしまいました。「他者」とはときに釈迦であり、阿弥陀仏であり、祖師であり、自身であり、言葉であり、死者です。仏性は世に満ちていて、しかも誰もがその一部だけれど、関わろうとしなければそれは見えないし気づきもしない。仏教は「他者」を得たことで迷ったかもしれないけど、かえって縁起の深淵により近づくことが出来たのではないかと思います。2013/03/10

naagita

2
末木先生による仏典解題。阿含経典の『遊行経』からハビアン『妙貞問答』まで。古代インドから近世日本まで、ローリングストーンとしての仏教的なるものの展開史。これだけ構想力豊かに、仏教全体を論じられる知識人というのは、なかなかいないと思う。なかでも、道元の正法眼蔵に関する、以下の評は秀逸。 「他者論の錯綜が、大乗仏教の泥沼的なわけの分からなさを導いたとすれば、もう一度、すっきりした原始仏教の倫理に立ち戻ったらどうなのか。孤高の探求の果てに、道元が晩年に到達した十二巻本の意図は、それまでの東アジアの大乗仏教の体系2009/07/22

Tonex

1
キリスト教の聖書と違って仏典は膨大すぎて何から手をつけて良いかわからない。表面をなでるだけでもとんでもない分量がある。2013/09/25

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