内容説明
誕生日は、1948年9月20日。長身でやせ型。カザンザキスの『再び十字架にかけられたキリスト』を読む青年は、「鼠」と呼ばれる。彼はなぜ「鼠」と呼ばれるのか―。長編村上春樹作品には多くの謎があり、つながりがある。ジェイやハートフィールドをはじめ、数字や記号、動物には意味がありはしまいか?象とは一体何者か。牛や一角獣、そして羊とは…。作品を徹底検証し、想像力を駆使し、もうひとつ別の小説世界を発見していくユニークで楽しい研究読本。
目次
第1部 謎に吹かれて(「風の歌」とは?;「ハートフィールド」を求めて;「鼠」の秘密;「ジェイ」の存在)
第2部 シンボリック・アニマルズ(「象」の創造;「牛」の笑い;「羊」はめぐる;「一角獣」の役割)
第3部 みどりの窓口(『ノルウェイの森』の舞台裏;「世界の終り」という街で;ダンスはすんだ!?)