移動動物園

移動動物園

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  • サイズ B6判/ページ数 226p/高さ 20X15cm
  • 商品コード 9784103795018
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

小さな動物をバスにのせて子供たちを訪ねる「移動動物園」。そこで働く二人の若い男女。じりじりと暑い“恋ヶ窪”の夏。懐しい土の匂いと草いきれ…。青春のただ中にいる者だけが知る気負いと絶望、熱情と虚無感を余すところなく書き続け、自ら死を選んだ著者の処女作ほか二作を収録。青春の苦悩と歓喜を鮮かに描いた小説集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

びぃごろ

12
「移動動物園」新潮新人賞候補作「空の青み」と「水晶の腕」は芥川賞候補作。三篇収録1991年刊。著者は1990年に41歳で亡くなっている。どの作品も20歳前後の若者が、飼育係、マンションの管理人、工場の切取場で働く毎日を描いている。津村記久子にちょっとだけ似た匂いがする。2021/03/03

丘野詩果

7
表題作は1977年「新潮六月特大号」に発表。他に『空の青み』1982年、『水晶の腕』1983年。移動動物園は、山羊、栗鼠、兎、インコ、アヒル達の生態が描かれていて興味深い。動物を見せるのが商売で、動物は商品と割り切っている園長がにくたらしい。いらなくなった動物を達夫と道子が殺処分する場面は読むに堪えない。新人賞の候補になりながら受賞しなかったのは、この部分があるのではないかと想ってしまう。(続きあり)2016/09/29

Shun Kozaki

1
最近サボっていた。なぜか北図書館に佐藤泰志作品が多いので、ドイツ語と線型代数の息抜きに読んでみました。 村上春樹の下品さが非常に非常に大嫌いなのですが(彼の訳は悪くない)、同じ時代に同じように活躍しつつも報われなかったひとです。 でもね、佐藤泰志の世界は優しいんですよ。落伍者や後ろ指指される人の、ありのままを飾らずに受け入れてくれる気がするんです。あったかいけど破滅的で怠惰な太宰治や、格好良いけれどもトンマな織田作之助とはちがうあたたかみです。2018/06/25

1
再読2011/08/28

あきこ

1
読んでみて悲しくなった。小説でありながら、現実的すぎて辛いのだ。まるでドキュメンタリーのようなのだ。どちらかといえば日の当たらない人々とその仕事と生活。そのなかでも主人公が自分のやるべきことを淡々とやっているところが好ましく、また悲しくもある。3篇入っていたがどれも同じ印象。地味な作家だけれど他も読んでみたい。2010/10/27

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