内容説明
高級外車窃盗団を追う築地署の刑事・游二の前に、その女は立ちふさがった。ティファニーのショウウインドーに30カービン弾をぶちこみ、消えた女。無垢な少女の微笑と、妖艶な獣の哄笑を残して…。魔に取り憑かれたかのように、彼は女を追い始める。そして次々に起こる凄惨な殺しと爆破事件。謎が謎を呼び、事態は一気に緊迫の局面へ。
著者等紹介
矢作俊彦[ヤハギトシヒコ]
1950年、神奈川県横浜市生まれ。72年、「ミステリマガジン」に短編小説を発表、以後『マイク・ハマーへ伝言』『真夜中へもう一歩』で、注目を集める。一方、テレビ、ラジオ、映画など他分野でも活躍。大友克洋との合作コミック『気分はもう戦争』(82年)がミリオンセラーに。映画『神様のピンチヒッター』(90年)、『ザ・ギャンブラー』(92年)では監督を務めた。98年、『あ・じゃ・ぱん!』でドゥマゴ文学賞を受賞、2004年には、『ららら科學の子』で三島由紀夫賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nfumai
10
年のせいか、人がバタバタ死んで主人公が破滅に向かって突き進む、救いのないお話がダメになってきたようだ。オープニングはなかなか魅力的でゾクゾクしたんだけど。主要キャラの内面の掘り下げや心理描写がほとんどないので、ただただアクションのためのアクション、銃撃のための銃撃、カーチェイスのためのカーチェイスに思えてしまって、なんか空しい。彼らを、特に女を突き動かす情動が何なのか理解できず、残念ながら読んでも何も残らなかった。自分の感じ方の問題かもしれないけど、ハードボイルドだって心に沁みる作品はあるんだけどなー。2011/08/03
ハゲ郎
9
あーやっぱり冒険小説はええね。2014/04/30
てん
8
久しぶりのバリバリハードボイルド。キザな固有名詞がヤケに鼻につく。平和な日常にどっぷりと使った身には、主人公の破滅への行動の原動力が理解できないし、それがカッコいいとも思わなく成った。歳だな。しかし、映像が目に浮かぶようなアクションシーンは秀逸。 イメージキャスト 引擎:水原希子 2011/08/29
a*u*a*i*n34
7
矢作さん作品は相当久しぶり。何十年前に読んだ「マイクハマーに伝言」の頃の作品にあったカーチェイスや銃器の雰囲気を懐かしみながら一気に一日で読み切りました。ストーリーや謎解きを楽しむというよりもこの疾走感に浸れるかどうかでこの作品に対する印象が決まる気がします。2012/03/05
カワセミ440
6
矢作俊彦さん、久しぶりの新作です。雑誌『ENGINE』に連載されたものらしい。日本の警官なのに銃撃戦やテロ?爆発とか、いやー凄い設定ですね。とても興味深く読み進められました。ここまでお馬鹿にハードボイルド路線を突き進むなんて今の日本じゃ矢作さんくらいのものでしょうね。クルマ雑誌に連載されていたからか、登場するクルマも『マイバッハ』とか『エスカレード』とか『ランエボⅨ』とかで、追いかけっこの際のクルマの様子、挙動の表現は上手ですね。『あじゃぱん』とかそういえば鈴木編集長の『NAVI』に連載してましたね。2011/07/04
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