内容説明
昭和天皇崩御の京都の街中で、偶然、画面に収められた一人の伝説の老人。しかし、私の眼は、老人の側に寄り添う美しい女にくぎ付けになっていた。その女こそ…。来日したCNN特派記者が体験する壮烈奇怪な「昭和」の残照。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
踊る猫
24
20年ぶりくらいの再読。もちろんパラレルワールドを描写するこの書き手の想像力の豊富さと批評性の鋭さには脱帽するしかないのだが、今の目で読み返してみるとベースにかなりしっかりしたハードボイルド小説としての構造があることがわかり、この作家でしか書けない「偽史」であると思う。インターネットが重要な素材として現れないあたりか痛いが、瑕疵にすぎないと言えるのでは。読んでいて楽しいし、この小説に倣って私も自分の中の「ガイジン」を召喚して「狂ったニッポン桃源郷」(ライムスター)を観察したい。実にエキサイティングな作品だ2020/12/20
Ai
2
下巻にまとめて記。2019/03/06
シナンジュ
0
1!
勉誠出版営業部
0
大学時代に購入して、かれこれ10年近く積読にしていた、矢作俊彦さんの『あ・じゃ・ぱん!(上)』を読了。東西に分断されたという設定の日本が舞台。道州制だったり、大阪の市長が注目を浴びている現在を見ると、今の雰囲気に近いものも感じる。ところどころ実在の人物も出てきて、実際の日本ともリンクする部分多数。2013年最初の衝撃的作品。2013/01/01
すずき
0
★★★★☆ アリスinワンダーアンダーグラウンド、じゃなくて、黒人inワンダー東西分割パラレルワールドジャパン。「大戦後に日本が資本主義と共産主義で東西に分割されてる」って舞台設定はナサソでアリソな感じなんだけど、ギャグと皮肉に満ちた筆で愉快に描く。一番面白かったのは、公文式がアップルとIBMを駆逐してたトコ。この先どうなるんだ? 2012/05/18