昭和天皇とワシントンを結んだ男―「パケナム日記」が語る日本占領

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昭和天皇とワシントンを結んだ男―「パケナム日記」が語る日本占領

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  • サイズ B6判/ページ数 315p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103732068
  • NDC分類 319.105
  • Cコード C0095

出版社内容情報

皇居からの極秘メッセージはこうして伝えられた! GHQを介さない非公式ルートの要にいた謎の人物とは。新発見日記を手がかりに占領期の深層に迫る。

内容説明

昭和天皇の側近・松平康昌と米国中枢部の接点に位置し、GHQを介さないチャンネルの要にいた、一人の男。流暢な日本語、人懐こい風貌、そして情報を嗅ぎ分ける類い稀な嗅覚…。戦後歴代宰相の懐に食い込み、機密情報をワシントンに送り続けたC.パケナムとは―。虚実が錯綜する、その全貌を追う。新発見の日記を手がかりに、占領下の知られざる「点と線」に迫るノンフィクション。

目次

鳩山邸を訪ねる英国人
マッカーサーに嫌われた男
占領された日本へ再入国
「昭和天皇の側近」松平康昌
フリーメーソンへの誘い
「天皇の伝言」パケナム邸での夕食会
パケナム追跡―日本・英国編
鳩山一郎とダレスの秘密会談
マッカーサー解任と日本の独立
岸政権誕生のシナリオ〔ほか〕

著者等紹介

青木冨貴子[アオキフキコ]
1948(昭和23)年、東京生まれ。フリージャーナリスト。84年に渡米し、「ニューズウィーク日本版」ニューヨーク支局長を3年間務める。87年、作家のピート・ハミル氏と結婚(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Willie the Wildcat

36
皇室への敬意。CIAからの資金援助や裏取引もない無私の姿勢が、皇室と大統領府を繋ぐ架け橋の根底。人間性と共に、才能と時勢を見極める先見性が印象的。ダレス外交を含めた今日の日米関係の礎構築への貢献。静かに多磨霊園に眠る氏に、日本への強い思いを感じる。興味深いのが天皇の政治力!?政治的嗅覚は政治家顔負けかもしれない・・・。一方、「あごがない」って・・・、日本の政治家諸氏の評価は今も昔も変わらない?!(汗)蛇足ですが、叔父ウィリアムP氏は確かに『坂の上の雲』にも登場!本当に日本との縁がある一族なんだ。2015/04/15

小鈴

17
この本の面白さは、一介の記者であるはずのパケナムが天皇や鳩山、岸ら面々をワシントンに繋ぐ流れを日記から知ることができることだ。もう一つの面白さは謎に満ちたパケナム自身の偽装された人生だ。明治を知り日本語を話せる英国人は、米国にとって利用価値があり、おそらくCIAの諜報員なのだろう。英国人の貴族という肩書は皇室や日本のエリートのパイプ作りに成功し、実際に懐かしき明治を知っているからこそ日本の皇室やエリート達も心を開いたのだろう。そして同時にそれを利用したのだ。天皇の関与は『昭和天皇の戦後日本』が詳しい。2016/07/20

勝浩1958

5
昭和天皇、宮内府式部官長 松平康昌の皇室側が時の首相吉田茂やマッカーサーをバイパスして、『ニューズウィーク』東京支局長パケナムや外信部長ハリー・カーンを通じてワシントンと皇室外交を非公式に行っていた当時の様子を伝えている。巻末に参考文献がかなり列記してあったので、もう少し詳しい内容を期待していたのだが物足りなさを感じた。2013/08/04

ZEPPELIN

4
占領時代の日本。幼稚で失敗だらけの神様ごっこに興じていたマッカーサーと、そのイエスマンに成り下がった吉田茂。どちらも当てにならないという点で一致した昭和天皇とアメリカ政府。その間を奔走したのがパケナム。イギリス人がアメリカ政府をバックに日本で活動するという妙な三角形ながら、この人がいなかったら今頃は東側諸国とされ、プーチンや習近平に親近感を覚えるような国になっていたかもしれないと思うと、ただただ恐ろしい。教科書に出てくる人ではないが、今も多磨霊園に眠るパケナムに黙祷を捧げたい2015/07/06

さくらんぼ(桜さんと呼んでね)

4
GHQ占領時代に特派員をしていたパケナムの日記を発見した事から始まる話。 宮内府式部官長 松平康昌が頻繁に登場し、天皇-松平-パケナム-ハリー・カーン-ワシントンという非公式チャンネルが機能したと示唆している。 が、本の大部分はパケナムの人生の足跡を辿るものだ。 それでも歴史で教わった話の裏舞台を知る事が出来たのは収穫だった。 天皇にフリーメイソンへの誘いがあったという話には驚いた。 2012/05/04

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