内容説明
死に臨む者の視界には、世界のすべてが映っている。漱石、賢治、鴎外等の「臨死体験」が現代に問う、あるべき死の姿。
目次
序章 ギリシアの壷絵に
第1章 病いと老い
第2章 死に寄り添う(「氷を割る」中勘助;「月の引力」広津和郎)
第3章 「死」体験(「其間に入り込んだ30分の死」漱石;「魂魄なかばからだをはなれた」賢治)
第4章 医者の一言(「医者に言はれて、だまりし心!」啄木;「患者と医者の黙契した辛さ」夢二)
第5章 看護婦の手(「白い着物はすぐ顔の傍へ来た」漱石;「なべて且つ耐へほゝゑみて」賢治)
第6章 ゆらぐ家族(家族の踏絵―がん告知・安楽死;家から病室が消えて―在宅ケアの原風景)
第7章 変わる病い(時代の病い―肺病・がん・エイズ;現代の見えない病い)
第8章 変わる死(「風景」としての死;つくられる「死」―脳死)
終章 現代の民話を
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- 和書
- 世界のどこかで一万歩