出版社内容情報
人と鬼、共に生きることはできぬのか――令和によみがえる「酒呑童子伝説」。政治腐敗が進み、都を取り巻く山に鬼が跋扈していた平安中期。尚侍は鬼の首領・朱天童子と出会い交流を深めるが、近年の禍を全て鬼のせいと断じた帝は朱天の討伐を命じていた。人を脅かすものの正体は本当に鬼なのか。正義は、悪は、絶対なのか。価値観のゆらぐ今こそ問いたい、日本ファンタジーノベル大賞2026受賞作。
【目次】
内容説明
政治腐敗が進み、荒れた都を取り巻く山々に鬼たちが跋扈していた平安中期。右大臣の妹・尚侍は、鬼の首領・朱天童子と偶然出会う。人懐っこい朱天童子に尚侍は心を許すようになるが、宮中では、飢饉や疫病、果ては公卿の姫君の不審死まで、禍をすべて鬼のせいと断じた帝が朱天童子の討伐を命じていた―。人を脅かすものの正体は本当に鬼なのか。異形の者とは対立するしか道はないのか。「日本ファンタジーノベル大賞2026」受賞作。善悪の境目がゆらぐ今こそ問いたい、鬼と人とが織りなす絵巻。
著者等紹介
加賀谷きよい[カガヤキヨイ]
1980年生まれ。岩手県花巻市出身。東北大学卒。「天を朱に染め―御伽草子異聞―」で日本ファンタジーノベル大賞2026を受賞。サカキヤヨイ名義で2022年に絵本『100億キロメートルの旅』、2025年に絵本『星をおとした少女』、『えーあいパパ』(絵を担当)をみらいパブリッシングより刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
がらくたどん
52
平安中期の酒呑童子伝承で一山当てたい江戸期の本屋が御伽噺に詳しいと噂の老爺に話を聴きに行く所から始まる和風ファンタジー。鬼と人とが混在する荒廃した京の都で酒浸りの「麗景殿の内侍」と鬼童の「朱天」が出会う。「大弼宮」の誘惑。姿を消す後宮の姫たち。大江山での鬼軍団対頼光四天王軍の激戦。そして朝廷に蠢く怨念と最後に一人輝く真の鬼。まるで生の大江山合戦を知っていそうな語り手の老爺の正体まで一気に読ませる。名称を暈しているが、一条帝から三条帝に向かう時期の道長の異母妹藤原綏子と源頼定の密通事件の超解釈が楽しかった♪2026/08/05
信兵衛
24
鬼たちと朝廷側、その両者の戦いだけでも十分以上に読み応えがありますが、思わぬ存在まで登場し、ヤラレタ!という痛快感あり。 伝説の面白さに、戦いの興奮、そして予想外の驚き、そして登場するキャラクターの魅力(皆を引っかき回している感ある内侍や老・安倍晴明を含む)と、多様な面白さが味わえる本作ですが、“鬼”とは何か?という問い掛けがまた心憎い。2026/07/26
本の蟲
12
2026年日本ファンタジーノベル大賞作品。江戸時代の版元による御伽草子の蒐集から、平安の都。酒呑童子の異聞奇譚が始まる流れにはワクワクした。ただ、冒頭と結末の仕掛け以外には特に残るものなし。鬼や貴族の存在。登場人物の心情と行動が最後まで腑に落ちない。かなり期待して読んだのだが、伝奇物としても歴史物としても中途半端で、審査員を務めた恩田陸、森見登美彦デビュー作のようなインパクト。次作必ず読むと思わせる吸引力はなかった2026/07/20
しま
3
ほかの方のレビューにもある通り、最初と最後の仕掛けだけと言う感じでした。冒頭を読んだ時は文章力があるのかと思ったが、本編はかなり酷い。地の文もあちこちに視点が飛び、セリフも陳腐で全く物語に入れない。どのキャラクターの描写も浅く、いつ面白くなるのだろうと思ったまま終わってしまった。Web小説ならいざしらず、新人賞ですらない文学賞の大賞がこれ? という感じです。中古で買いましたが、絶対に定価では買いたくない。焦って買わずにもう少し値下がりするのを待てばよかった。2026/07/30
miohaha
2
知人のママ友さんがファンタジーノベル大賞を受賞したと聞いて読んでみました。源頼光と酒呑童子の物語を大胆にアレンジした意欲作。鬼も人も、つよい個性を放つキャラ付けがなされていて、ストーリーが生き生きと動いています。夢枕獏さんの陰陽師、誉田哲也さんの闇神シリーズなども彷彿とさせるものもありますが、オリジナリティもあって面白かったです。2026/08/09
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