出版社内容情報
あなたはまだ本当の長崎を知らない。「アースダイバー」的に読み解く興奮の書。日本の西端、アジアの東端。世界と日本をつないできた縁側のような “はじっこ”の町は、とてつもなく奥が深かった。実は忠臣蔵の元祖? 踏み絵と「くんち」の意外な関係とは? 知られざる「日本初」の数々――在住半世紀の地元作家が地理と歴史を掘り分け、教科書ではわからない独特の魅力へと誘う。充実のガイド付き。
内容説明
実は忠臣蔵の元祖?踏絵と「くんち」の意外な関係とは?知られざる数々の「日本初」。世界と日本をつないできた縁側のような“はじっこ”の町は、とてつもなく奥が深い。在住半世紀の地元作家が地理と歴史を掘り分け、教科書ではわからない「アースダイバー」な、独特の魅力へと誘う。充実のガイド付き。
目次
第一講 長崎誕生
第二講 小ローマと呼ばれた町
第三講 「絵踏み」で踏んだのは心
第四講 和華蘭の町は貿易センター
第五講 開国と近代化、そして原爆
第六講 傷を恵みに変える長崎
著者等紹介
下妻みどり[シモツマミドリ]
1970年生まれ。熊本大学文学部民俗学専攻卒。ライター。長崎についてのエッセイやイラスト、雑誌・書籍・広告記事などを手がける。テレビディレクターとして長崎くんちのコッコデショを取材した「太鼓山の夏~コッコデショの131日」(NBC長崎放送/2004年)は日本民間放送連盟賞優秀賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hiro
3
本書を地域おこし、お国自慢、観光客誘致のガイドと捉えてもいいが、熱心な著者が長崎の全てを街の始まりから今日まで盛衰全部を洗いざらい総花的に取り上げた結果、案内書にはとても納まらない問題提起の書になったと私には思われる。なかでも考えさせられるのはこの土地に象徴される日本人の主体性の問題だ。本書を読むと長崎は街の起こりから終始外圧や中央政治の強い影響下に、つまり主体的ではなく受身的に形作られてきたことが分かる。有名なおくんちすら住民の発意ではなく為政者の強制によるものだったとは。元長崎市民としては悩ましい本。2025/03/09
みさと
2
世界の東の果ての日本の西の端、長崎はまさに「辺境」。しかし、ここには遠い海の向こうからあらゆるものがやってきた。ここに港が開かれたのは戦国期、ポルトガル船が平戸に代わる港を探していた結果だった。徳川の世、厳しい弾圧により切支丹は転ぶか潜るかを余儀なくせられ、長崎はオランダ人と唐人が来るように。「鎖国」の時代、長崎は世界に開かれた窓、新しいものは常にここから日本に入っていった。明治以降は炭鉱と三菱造船所の街に。軍需中心の街は原爆で跡形もなくなった。観光・祈り・坂の街、しかしてその素顔は。長崎、すごい街だ。2025/04/10
定年おやじ
1
長崎の街の始まりから今日までの歴史や背景を解りやすくまとめられています。長崎の爺さんとしては、知ってることも新たに得たこともあり、改めて「すごい長崎」を感じられる本でした。2025/03/22
violetta
1
長崎を旅したので読んでみた。行く前に読んでおけば良かったー!2025/03/21
NAGISAN
1
最近長崎に見入っている。長崎の昔の地形をみれば「長い岬」、距離は約1km。これまで意識したことがなかったので、次回、本書を片手に歩いてみよう。2025/02/25