出版社内容情報
「走る哲学者」が半生をかけて考え抜き辿り着いた、人生を「極める」バイブル。基礎の習得から無我の境地まで、人間の成長には5つの段階がある。では、壁を越え、先に進むために必要なものは何か。自分をどう扱えばいいのか。「走る哲学者」が半生をかけて考え抜き、様々なジャンルの達人たちとの対話を重ねて辿り着いた方法論が一冊に。経験と考察が融合した現代の「五輪書」誕生!
内容説明
基礎の習得から無我の境地まで、人間の成長には5つの段階がある。その階段を昇るのに年齢は関係ない。では、壁を越え、先に進むために必要なものは何か。自分をどう扱えばいいのか。「走る哲学者」が半生をかけて考え抜き、様々なジャンルの達人たちとの対話を重ねて辿り着いた方法論が一冊に。
目次
序 熟達の道を歩むとは
第1段階 遊―不規則さを身につける
第2段階 型―無意識にできるようになる
第3段階 観―部分、関係、構造がわかる
第4段階 心―中心をつかみ自在になる
第5段階 空―我を忘れる
著者等紹介
為末大[タメスエダイ]
元陸上選手。1978年広島県生まれ。スプリント種目の世界大会で日本人として初のメダル獲得者。男子400メートルハードルの日本記録保持者(2023年6月現在)。現在は執筆活動、身体に関わるプロジェクトを行う。Deportare Partners代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
66
守破離にも通じると思う。遊びから始まる。きっかけはいろいろあるだろうが、楽しさを感じられるかどうか、興味を持てるかどうかは、とても大きな違いだと思う。一個人としては、観るが興味深い。自分のことを、少し離れた視点から観ることができれば、その次のステップに進みやすい。そこで、何にきづくかだ。それにしても、ここまで言語化できることが凄い。2024/07/01
yutaro sata
32
一見矛盾するようなアドバイスが存在するのは何故か。それは、物事に熟達していく過程にはいくつかの段階があり、その段階ごとに習得すべき内容が異なるから、だという。 私も自身のいろいろな営みに照らして、「あ、これは今『観』の段階だな」「これは『心』の段階だな」などと考えながら読んでいた。 今まで脱力するということが何かがよく分からなかったのだが、中心部分、要の部分だけに力が入って後は遊んでいる状態なんだと分かり、ああ、ただ全箇所なんとなく力を抜くということが脱力ではなかったのか、ということに気がついた。2023/08/22
ta_chanko
28
熟達のプロセス=遊→型→観→心→空(→遊…)。最初に、「遊」びありき。全力が先、制御は後。「型」とは、無意識化された技能。次は「観」。動作を分けて見ることで、動きや技術を構造化する。その後、自分の動きを俯瞰する。身体全体で観る。そして「心」。技術の核心を体得する。いつでもニュートラルポジションに戻れる。応用的な技術も試せる。最後に「空」。論理よりも勘。ゾーンに入る。意識・価値観・言語・私から身体を解放する。そしてまた「遊」に戻る。それ自体を楽しむ。まさに熟達の奥義!2023/09/27
金城 雅大(きんじょう まさひろ)
25
良い本だったなぁ。 熟達のステージサイクルについてももちろん学びになったが、各ステージでの要素がいちいち自分の経験や知見とリンクしたおかげで色々なことを思い出しながら読めたのがとても良かった。2024/05/30
まろにしも
15
一つのことを極めた著者が、熟達に至るプロセスを説明してくれるという、最高に好奇心が刺激される内容。さらに素晴らしいことに、著者の洗練された言語化能力。深くて、かつ、面白かった。途中、著者が語っている内容のレベルが高すぎて、少し引いてしまったけど(笑)。でも、そのおかげで「いま目の前にあることに没頭するだけ、極論、結果はどうでも良い」というところが、ストンと腹落ち出来て、なんか救われたような気持ち。今度は、「諦める力」を読もうかな。2024/08/19