出版社内容情報
最果タヒ、明日を切り開く運命の第八詩集。
内容説明
最果タヒ、明日を切り開く運命の第八詩集。
目次
流れ星
約束
傷痕
36℃
墓標
母国語
2020年生まれ
蝶
ブレーカーの詩
宇宙戦隊〔ほか〕
著者等紹介
最果タヒ[サイハテタヒ]
詩人。1986年生まれ。2004年よりインターネット上で詩作をはじめ、翌年より「現代詩手帖」の新人作品欄に投稿をはじめる。2006年、現代詩手帖賞受賞。2007年、第一詩集『グッドモーニング』を刊行。同作で中原中也賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
235
「ぼくは、心がなくて、きみにはあるから、きみはぼくにそれをちょうだい。人類はそうやって、愛を発明しました」最初の詩「流れ星」から引き込まれます。果てしない魂の残響が僕の心に届きます。後半「死」という言葉が増えてきて、大丈夫か?と気になりますが、詩を書くことで自分を更新しているそうなので問題なしでしょう。星座のように、つながっていく言葉の広がりをとことん楽しめます。2021/02/17
ちぇけら
24
生まれて死ぬことを愛だというひとは、蝶が産まれるのを見たことがないのでしょうと、昨晩だれかと唇づけしたくちで気象予報士は言った、ごめんなさい、あなたに愛されないぼくがいるのに、愛がいまも世界に在るなんて許せるはずもなく、今日もまた星をなぞって新しい星座を作ります。愛されないならば、せめてあなたになりたいと、雨は産まれたばかりの蝶のようにひかった、愛は生でも死でもなくあなた自身だと、その事実にぼくは激しく感動する。あなたはぼくを愛さない、だから夕陽とともに燃えられる、そしてあなたは、世界は、夜になるのです。2021/11/24
水色系
23
最果タヒさんの詩との出会いは、4年前。本屋を歩いていて、『夜空はいつでも最高密度の青色だ』のジャケットを見た瞬間、夢遊病のようにレジに持っていっていたな。孤独が夜空に点滅している。「ブレーカーの詩」「ヨーグルトの詩」がよかった。あとがきがまたよくて、その孤独もまとめて全部抱きしめてくれてるような感じがする。最果タヒさん、ありがとう。2021/01/20
aloha0307
21
冒頭 星が見えない大都会 高層ビルの狭間 夜景なんて誰も見ていない...「本当にぼくは孤独だ」の”本当に”はだれに対して証明するのか❓ タヒさんの叙事詩は感覚で捉えなくてはね。解釈 しようとすると味わえなくなってしまう... タヒ という名前 うえに一本横棒つけると 死 という字になるね(何故か気がつきました) Or タヒはタヒチが由来かな❓2021/02/28
コンチャン
21
詩集というものを読むたびに思うことだけれど、言葉選びのセンスとか全体的な意味のぼんやりした感じとか、決して難しい言葉をつかっているわけではないのに、「絶対に自分では構成できない」と思わせてしまう何かがあって、この本からも例外なくその何かを感じることになってしまった。夜寝る前に少しずつ読んで読了。2021/01/23