出版社内容情報
首都圏をぐるり、実延長320キロの沿道エリアは、日本史上、重要な地域であり続けた――「道」と「地形」で読み解く痛快新日本論!
内容説明
私たちの暮らす東京、日本を創ったのは「地形」だ!旧石器時代から人が住み、武士集団が駆け、頼朝と家康を呼び寄せた。近代に入ると絹と軍艦で経済を支え、ユーミンはじめ新しい歌がここから生まれた―横須賀、横浜、町田、八王子、川越、柏、木更津、と該当エリアには1100万人が住み、全国一混雑する道でもある、この馬蹄形のすごい道を知り、次はぜひ歩いてみよう。痛快!日本文明論。
目次
第1章 なにしろ日本最強の郊外道路
第2章 16号線は地形である
第3章 戦後日本音楽のゆりかご
第4章 消された16号線―日本史の教科書と家康の「罠」
第5章 カイコとモスラと皇后と16号線
第6章 未来の子供とポケモンが育つ道
16号線をもっと知るためのリスト
著者等紹介
柳瀬博一[ヤナセヒロイチ]
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授(メディア論)。1964年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、日経マグロウヒル社(現・日経BP社)に入社し『日経ビジネス』記者を経て単行本の編集に従事。「日経ビジネスオンライン」立ち上げに参画、のちに同企画プロデューサー。TBSラジオ、ラジオNIKKEI、渋谷のラジオでパーソナリティとしても活動。2018年3月、日経BP社を退社、同4月より現職に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はっせー
146
私の地元に通っている国道16号。いつもお世話になっている16号の歴史から日本を見る作品。少し色んなものと繋げすぎ感があるがそれでも面白い作品であった!国道16号は関東にとって大事な道であり歴史が深い。源頼朝が挙兵したときに使った街道がいまの国道16号の前身であり近代の殖産産業を支えた。戦後はやはり音楽文化を育てた。ユーミンをはじめ国道16号にゆかりのある方が多く活躍している。日本一渋滞する国道16号がもっと好きになるほんになっている!少しでも興味を持った人はぜひ読んでみてください!おすすめできます!2021/06/20
ばう
68
★★★ 国道16号線。住んでいる県内の16号は時々通るけれど、改めて注目すると、そう言えば東京湾をぐるりと囲んで一周するすごい道路ですね。いつも渋滞する道路、というイメージしか無かったけれど大学、城、貝塚、(戦前までの)飛行場と色んな施設がこの16号線沿いに広がっているらしい。旧石器時代から現代までの歴史、地形、文化、産業と様々な面から論じるとても興味深い一冊でした。2023/03/09
おかむら
49
東京の周辺部をぐるっと囲む国道16号線。ロードサイドの店が全部同じ、とか、マイルドヤンキーの生息地、とか、なにかこう イケてないイメージですが、そんな16号の地形歴史文化を熱く語る本。ちょっとブラタモリ臭? 元八王子市民なので楽しく読んでたけど、著者の16号愛が強すぎて?こじつけがやや鼻白む思い。深谷(渋沢栄一絡み)まで16号周辺に入れてたりはなあ…。あと千葉方面が薄い。ユーミンいないからか。ジャガーさんがいるじゃないか。2021/03/20
禿童子
46
三浦半島の小網代の森という「小流域」の自然環境をモデルにして国道16号線という神奈川・東京・埼玉・千葉をつなぐ環状道路が生まれた歴史と、生糸輸出に果たした役割、さらに米軍基地から派生した戦後の音楽シーンの中に位置づけるという盛りだくさんの内容が語られている。モスラあり、『翔んで埼玉』あり、郊外住宅地の高齢化の逆説あり、近隣住民としてはアルアル話で面白かった。一種の郷土史本? 2022/10/13
yyrn
41
全長326km。関東圏をぐるりと取り囲む国道16号線は丘陵地帯の縁を走り、都会と自然が残る郊外の境という絶妙な位置にあって、その沿線は両方の魅力が堪能できる素晴らしいるエリアである、ショッピングモールが廃れてディスカウントショップだらけになっても、高度経済成長を支えた数々のニュータウンが超高齢化社会の到来でゴーストタウンになりつつあっても、見よ、コロナ禍の世の中で見事に復活しつつあるではないか!などと様々な切り口でそれぞれの歴史と意義を教えてくれる本。ただ16号線を愛するあまりか、なんでもかんでも⇒2020/12/22
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