出版社内容情報
高校生限定のマッチングアプリが必須となった現代。3人の若者の運命が、鮮やかに加速していく――。3年ぶり、新境地の青春群像劇。
内容説明
高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」が必須となった現代。東京のとある高校を舞台に、若者たちの運命が、鮮やかに加速していく。全国配信の料理コンテストで巻き起こった“悲劇”の後遺症に思い悩む蓉。母との軋轢により、“絶対真実の愛”を求め続ける「オルタネート」信奉者の凪津。高校を中退し、“亡霊の街”から逃れるように、音楽家の集うシェアハウスへと潜り込んだ尚志。恋とは、友情とは、家族とは。そして、人と“繋がる”とは何か。デジタルな世界と未分化な感情が織りなす物語の果てに、三人を待ち受ける未来とは一体―。“あの頃”の煌めき、そして新たな旅立ちを端正かつエモーショナルな筆致で紡ぐ、新時代の青春小説。
著者等紹介
加藤シゲアキ[カトウシゲアキ]
1987年生まれ、大阪府出身。青山学院大学法学部卒。NEWSのメンバーとして活動しながら、2012年1月に『ピンクとグレー』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
854
以前から気になっていた加藤 シゲアキ、初読です。直木賞の候補作発表前、発売直後に図書館に予約したので、早めに読めました。第164回直木賞候補作1/6です。本書は、料理×高校生限定のSNS(オルタネート)×音楽の青春譚の佳作でした。アイドル作家にしては文章が巧みですが、直木賞受賞までの勢いを感じませんでした。出版社も新潮社なので、受賞はないと思います。 https://www.shinchosha.co.jp/alternate/2020/12/21
bunmei
759
直木賞候補作品ということで、加藤君の作品を初読み。新時代に生きる高校生の恋愛や友情、夢に向けての世界観をリアルに写しとった青春群像劇。そのベースが高校生のみが利用できるマッチングアプリ『オルタネート』。そんなアプリを媒体とした構成は、令和ならではの視点とも言える。但し還暦迎えた自分にしたら、最初から「フロウ・オルタネート・コネクト」と横文字が飛びかい、人物名も突飛で、アプリ頼みの短絡的な恋愛観も、なかなか寄り添えなかったかな。それでも、最後は、それまでの伏線を上手に回収していた。 2020/12/28
うっちー
698
三者が一つに集約、特に後半はどうなるのかとサスペンス要素も。直木賞獲得なるか。他の作品を読んでいないのでわかりかねます2020/12/22
ウッディ
574
料理コンテストでの優勝を目指す蓉、高校を中退し、かつてのバンド仲間ともう一度、演奏することを夢見て上京する尚志、オルタネートの遺伝子マッチングで最高の相手を見つけようとする凪津の3人の若者を描いた群像劇。「ワンポーション」で勝つための戦略や創造性あふれる料理の数々、マッチングアプリに頼り、気持ちを置き去りにした高校生など、舞台設定は面白く、各々の素材は良かったが、全部を詰め込んだために焦点がぼやけたような気がしました。。高校生にとって必須のオルタネートというアプリの魅力が伝わってこなかったのも残念でした。2021/10/14
Makoto Yamamoto
510
初読みの作家さん。高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」が必須となった現代。東京のとある高校を舞台に、若者たちの運命が、鮮やかに加速していく。 全国配信の料理コンテストで起きた「悲劇」の後遺症に思い悩む蓉、「絶対真実の愛」を求め続ける「オルタネート」信奉者の凪津、「亡霊の街」から逃れ音楽家の集うシェアハウスへと潜り込んだ尚志の三つのストーリーが同時進行。実際の高校生がこの小説をどう感じる? 面白かったので、他の作品も手に取ってみたい。2021/03/08