出版社内容情報
ねじまき鳥に導かれた謎の迷宮の旅へ。消えた猫、水の無い井戸、出口の無い路地。世田谷の住宅地から満蒙国境まで圧倒的迫力で描く探索の年代記。〈読売文学賞受賞〉
内容説明
ねじまき鳥が世界のねじを巻くことをやめたとき、平和な郊外住宅地は、底知れぬ闇の奥へと静かに傾斜を始める。暴力とエロスの予感が、やがてあたりを包んでいく。誰かがねじを巻きつづけなければならないのだ、誰かが。1984年の世田谷の露地裏から1938年の満州蒙古国境、駅前のクリーニング店から意識の井戸の底まで、ねじのありかを求めて探索の年代記は開始される。
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