内容説明
ふと、うまい牡蠣フライを食べたくなって、10年ぶりに訪れた洋食セーヌ軒。町並みも店構も昔のままだったが…。時の移ろいと、人と食物との相性を爽かにつづる表題作ほか。日常の食べものや、さりげない食卓の情景を通して浮びあがる人生の機微。連作小説集。
目次
ホーム・サイズの鱒
中華街の小さな店
マルう
プチ・シモオヌ
アルミの箸
鮎の宿
菊黄蟹肥
ことしの牡丹
エル・ジョロン
鮨
洋食セーヌ軒
オムレツ
欅の木
天ぷらの味
どこかで見たシェフ
春愁の町
雲の峰
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫綺
130
いかにも美味しそうなタイトル。全17編の食に纏わる極短編集。昭和の懐かしさを含んだ、緩やかな文体。程よく腹を満たし、ほろ酔い気分に浸れる満足の一冊。2016/04/19
yuzuriha satoshi
25
甘い味 苦い味 酸っぱい味 粋な味 思い出の味 成熟した男と女の囲む食卓に供される一皿から読んで美味しい物語が作り出されていきます 同席できる楽しさをじっくりと味わいましょう (「まる"う"」がお気に入り さらりとした可愛さをまとった女性はいくつになっても素敵で愛おしいです)2013/09/07
ち~
24
様々な料理に添えられた、ちょっとしたストーリー。男女の淡い恋だったり、昔の思い出に浸ったり。そんな一見何気ないストーリーがとても上質に感じられる大人な短編集。昭和テイストがまた良い。リッチな気分で読了。昭和62年発行の本にもかかわらず、図書館予約で3ヶ月ほど待った不思議。初読みの作家さんですが、根強い人気の本なのでしょうか。2016/08/11
ざるめ
13
ちょっと大人な雰囲気に、美味しそうな料理の数々(’-’*)♪どれも食べたくなったけれど、今の気分は表題作セーヌ軒の牡蠣フライ(^q^)この雰囲気、もう一度ゆっくり楽しみたいから文庫本を買っちゃおうかな~(^^;)2018/12/10
ハゲ郎
13
この人、上手い!大人の短編集。上手いついでに一話に一つ旨い食べもんが紹介されてる。秀作。2016/07/31
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