出版社内容情報
特設ページで、著者のブレイディみかこさんが選んだ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』と一緒に読みたい本を特別に公開しています!
内容説明
大人の凝り固まった常識を、子どもたちは軽く飛び越えていく。世界の縮図のような「元・底辺中学校」での日常を描く、落涙必至のノンフィクション。
目次
1 元底辺中学校への道
2 「glee/グリー」みたいな新学期
3 バッドでラップなクリスマス
4 スクール・ポリティクス
5 誰かの靴を履いてみること
6 プールサイドのあちら側とこちら側
7 ユニフォーム・ブギ
8 クールなのかジャパン
9 地雷だらけの多様性ワールド
10 母ちゃんの国にて
11 未来は君らの手の中
12 フォスター・チルドレンズ・ストーリー
13 いじめと皆勤賞のはざま
14 アイデンティティ熱のゆくえ
15 存在の耐えられない格差
16 ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとグリーン
1 ~ 3件/全3件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
1809
著者のブレイディみかこさんは、これまで既に何冊もの本を上梓しているのだが、この本にいたって突如の大ブレイク。現在、ほとんどの本屋さんで平積みである。何がそうさせたのか。私見では、まずはタイトルの魅力。これは著者の息子のノートの端に書かれていた言葉。この本の内容全体をシンボリックに表しているかのようだ。次いでは、軽快な造本と目に飛び込んでくる鮮やかなイエローの表紙の与えるインパクト。表現も軽妙でありながら、語られる内実は深く、かつ広範な問題を提起する。内容を述べる余地がなくなったが、他の人たちが既に十分に。2020/04/12
へくとぱすかる
1611
最初から圧倒された。そしてあっという間に読んでしまった感。読み終わるのがもったいなかった。イギリス社会に育つ中学生の、驚くような日常の記録。お母さんである著者の度胸もなかなかすごい。人種・民族差別や貧困の問題に、さっと自分で考えて取り組んでいく息子さんがたくましい。日本の中学生にはマネできそうにないし、考え方さえレベルがちがうと思った。教育やいじめなど、およそあらゆる今現在の問題が集まって、生活に入り込んでいるイギリスの日常は、近未来の日本の姿かもしれない。息子さんの書き込みから取ったタイトルは実に的確。2020/02/12
kou
1526
一つ一つの話しが面白て深く、息子の発言や行動にハッとさせられることが多かった。これを読むと日本の教育は国際的に遅れているのでは?と不安になってしまう。自身も先入観を無くし、エンパシーを鍛えたい。それにしても、読めば読むほど、素敵な親子だと思う。連載は続いているようなので、是非2巻、3巻と続いていってもらいたい。2019/11/29
starbro
1505
新型コロナウィルス対策購入シリーズ第33弾、図書館の予約数が凄いので、読むのを諦めていましたが、コロナ禍の不幸中の幸いで購入して読めました。著者の元底辺中学校に通う息子の日常生活を通じたロンドン郊外の街ブライトン(日本だと湘南のイメージ?)の日常生活を描いたノンフィクション、大変興味深い内容でした。2019年ノンフィクション本大賞他各賞受賞も納得です。 BGMはSex Pistolsでした。著者は、私と同い年、実は修猷館卒の才女です。 https://www.shinchosha.co.jp/ywbg/2020/05/06
zero1
1411
読めば世界が広がる!英国における多様性社会の現実を描いた話題本。最初は息子の中学進学話で退屈かと思えたが、差別が出てきて興味深く読めた。いじめにDV、LGBTQ、里親に階層と貧富の差(下層上等!)、少女の行方不明まで。読者の多くが日本と重ね合わせたのは間違いない。英国の場合はEU離脱やナショナリズム、福祉の切り捨てなどが社会と教育に重くのしかかる事情がある。でもボランティア強し!違った視点で物を見ると、こんなにも世界が違って見えるのかと感心。読者が討論会を開くなら、こんな本がいい。多くの支持は納得。2020/04/04
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