出版社内容情報
幸せな家庭に、愛は必要? 大切なのは、自分たちなりの形を信じること。恋人、夫婦、家族……。新しい関係を提案する連作短編集。結婚して幸せになるために必要なのは、愛、打算? それとも……。新郎新婦を巡る披露宴の物語。まだ肌寒い春の、とある結婚式場。美しく若い花嫁とカバのような花婿という、年の差婚カップルの披露宴に集った客たちはそれぞれ、偽装、詐欺、婚前不貞という闇を抱えていた。そして一見、幸せの絶頂にいるように見える新郎新婦には、2人だけの秘密の約束があった……。恋人、夫婦、家族の新しい関係を提案する連作短編集。
中江 有里[ナカエ ユリ]
著・文・その他
内容説明
結婚式。それは、祝福と拍手に包まれる良き日―格差婚夫婦、招かれた客、招かれなかった人…。皆が、人には言えない秘密を抱えていた。そして、新郎新婦の結婚に隠された「真実」。自分を満たすために、人の幸せを祈るのかもしれない―ある披露宴を巡る6つの物語。
著者等紹介
中江有里[ナカエユリ]
1973年大阪府生まれ。女優・作家。法政大学卒。89年芸能界にデビュー。数多くのTVドラマ、映画に出演。2002年「納豆ウドン」で第23回「BKラジオドラマ脚本懸賞」最高賞を受賞し、脚本家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナイスネイチャ
113
図書館本。結婚式を舞台にその新郎新婦に纏わる人達を巻き込んだ連作短編集。そのなかにレンタル友人や祝儀泥棒など最初は嵌まりましたがちょっと後半は雰囲気変わったかな?2019/07/28
うどん
112
中江有里さん、初読みでした。正直、読む前はあまり期待していなかったのですが(すみません)とてもステキな連作短編でした!読んで良かったです。2019/04/05
tetsubun1000mg
109
先月「ティンホイッスル」を読んで、製作現場にいた人でないと書けない小説だと感心しました。 本作は歳の離れた2人の結婚式と、出席する人を連作で描いていく。 冒頭の結婚式で、レンタル友人スピーチを請け負った栄子の物語から始まる。スピーチに対する新婦の涙は後半の新婦の物語の伏線にもなる。 結婚する2人と、多くの出席者の人生と、さまざまな感情を描いて最後に鮮やかにまとめた本作は、作家として一気にレベルを上げたことを証明する一冊になったと思います。 デビュー直後の重松清の作品を思い起こさせるレベルの高い上質な作品。2019/05/20
ごみごみ
108
とある結婚披露宴を舞台に、新郎新婦、親戚、友人、元カノ… 様々な人たちの視点で描かれる過去と現在。それぞれ共感できる部分も多かった。ミステリアスな感じもあり、どう着地するのか最後までわからず面白かった。ラスト一行がよかった。幸せな読後感!2019/05/06
ポップノア♪@読書超絶停滞中
100
読友さんのお勧め。ある結婚式を多角的に描いた連作短編集。意外な職業にスポットを当てた「祝辞」や、新婦の従姉妹⋅貴子の苦悩が氷解する「約束」、新郎⋅伊勢田の過去の恋愛を描いた「祈り」等、どれもテイストが異なり非常に興味深い。秘密の誓いを立てる「愛でなくても」は強く共感したし、「愛のかたち」に正解なんて無いんだなと。体は大きいけど心優しい「伊勢ふく」こと伊勢田は完全に田口浩正さんで脳内再生でした。中江さんはいつの間にか作家さんになられてて驚いたけど、調べたら年間300冊は読むらしいので自然の成り行きなのかな。2022/04/19