ノモレ

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  • サイズ B6判/ページ数 297p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103519614
  • NDC分類 382.62
  • Cコード C0095

出版社内容情報

100年前、アマゾンの深い森のなか、入植者が支配するゴム農園から命がけで逃れた先住民がいた。その子孫を追うノンフィクション。息子たちよ、森で別れた友(ノモレ)を探しておくれ。百年間語り継がれた“再会の約束”は、果たされるのか――。ペルー・アマゾンの村長ロメウは、文明社会と未接触の先住民イゾラドが突如現れたと知らされる。ロメウの曾祖父が言い残した、百年前に生き別れになった仲間の話。ロメウは、イゾラドが、その子孫ではないかと思い始めるが――。大宅ノンフィクション賞受賞作『ヤノマミ』から8年、NHKスペシャル「最後のイゾラド」から生まれた奇跡のノンフィクション!

国分 拓[コクブン ヒロム]
著・文・その他

内容説明

奴隷にされた曾祖父が、100年以上前に密林で生き別れになった仲間。突如出現したイゾラドは、彼らの子孫、我々のノモレではないのか―。未知の人々を保護すべきか、警戒すべきか。ペルー国内が騒然となるなか、先住民イネ族の若きリーダー・ロメウは、曾祖父の言葉を思い起こしていた。1902年、入植者の白人が経営するゴム農園で奴隷にされた曾祖父たちは、生き延びるためにパトロンを殺し、二手に分かれ、逃げたのだ。曾祖父たちは故郷へ戻ったが、森に消えた仲間たちと二度と会うことはなかった。文明、歴史、人種、時間、言葉…。現代人の価値観に挑むノンフィクションの臨界点!

目次

序 生き残った者たちが言い遺した話
第1部 救世主の山へ(ロメウ、川を上る―二〇一五年七月;マシュコ・ピーロ;基地での一日が始まる―二〇一五年七月;細長い筒、樹液の出る木、黄色い実;出現―二〇一五年七月 ほか)
第2部 川を渡り来る者(音、川の向こう、近い日の話;ロメウ、家族との接触を続ける―二〇一五年八月;こちら側とむこう側―二〇一五年九月;不穏な前兆、隠された意図―二〇一五年十月;ロメウ、奔走する―二〇一五年十月 ほか)
そして、流木は大河を彷徨う

著者等紹介

国分拓[コクブンヒロム]
1965(昭和40)年宮城県生れ。1988年早稲田大学法学部卒業。NHKディレクター。著書『ヤノマミ』で2010年石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞、2011年大宅壮一ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

112
NHKスペシャル『大アマゾン 最後の秘境』として放映された番組の取材から生まれた本。自粛時にBSで観たので気になり読んだ。アマゾンにはイゾラドと呼ばれる文明と離れた生活をおくる先住民がまだいるそうだ。しかし開発の波がそこにも押し寄せ文明人と呼ばれる人々に環境を壊されなかには殺されることもある。今流行しているコロナも蔓延しているという。マイノリティに対して横柄で威圧的な態度は世界中どこも同じ。タイトルのノモレは友達、仲間という意味だ。この言葉が本当に必要なのは現代人かもしれないと思った。図書館本2020/07/11

Willie the Wildcat

81
押し寄せる文明開化の波と、その歴史に翻弄される家族。全関係者の”短視眼的”思惑に潜むリスク。先住民の生業の浸食の果てに垣間見る生態系”汚染”。”相互”依存性が、もれなく新たな問題。政府・国家の観光、先住民の日常生活を繋ぐモノが、心ではなくモノなのが痛い。それでも信じ続けるロメウの夢。まずはヨマコとの約束、そしてその先の祖の復興。故の(イゾラドではなく)ノモレ!絶滅の危機も現実の1つであり、共存共栄の解とは如何に?保護区が文字取りとなるかどうかが基点。2019/01/08

ちょき

74
ペルー奥地の未開の原住民との接触におけるドキュメンタリー。そもそも100年前に奥地のバナナ農園から逃げて離散した仲間(ノモレ)の子孫ではないかというおそらくフィクション設定と、彼らイゾラドとの交流の難しさ、繊細さ、未知への不安要素が入り混じっている。まさにバナナの切れ目が縁の切れ目。保護か放任か弾圧かと揺れ動く。イゾラドにとっては迷惑な話である。地球シミュレーターによると80年後にはアマゾンも砂漠化するらしい。多様性というものを考えていかなければならない。2018/08/04

sayan

73
NHKスペシャル「大アマゾン最後のイゾラド」の書籍版。読みどころは、ノモレ(仲間)とイゾラド(文明社会と未接触の先住民)が信頼関係を構築していくプロセスとメカニズム。シボレテの逸話を彷彿させる。主人公となるロメオは元イゾラドで文明化された先住民として、彼ら=イゾラドと出会い、偶然にも同じ祖先イネ族の言葉が通じる。まさに、シボレテの「シ」を正しく発音できるか否かが、単に他者として烙印するのみならず、他者に対する暴力の正当化を誘発する。高野秀行的な冒険心が刺激される内容だが、本書には排除と包摂のヒントがある。2018/09/10

キムチ

69
放映をこの冬見た・・2回目だが衝撃は薄れていなかった。さすが国営放送と思わせる分厚い取材陣と中身の厚さ。そのディレクターが現地の原住民の若き「文明人」ロメウの視点を通して綴った1冊。語り口の滑らかさと構成は流石手慣れており、一気に読ませる。だが問いかけているモノが永遠に誰にも応えられるもんじゃないと思った。ノモレ・・100余年前に侵略者の追ってから逃れるべく、二手に分かれた原住民は互いをそう呼んだ‥いつか会える日まで。1万年生きて来た彼らは病原菌に対する免疫力を持たず、すぐ死ぬ。明日は考えず、先しかない。2021/01/16

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