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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
15
東條は、よく「官僚らしい」と評されます。本書を読む限り、自らが正しいという信念と、バッファーの無い組織上の人間関係で社員を疲弊させる、ユニクロの社長のような印象を持ちました。東條が、意見具申する部下を躊躇なく最前線に送り、早死にさせていたというのは、単なる嫌がらせのようにはみえないのが、かえって不気味に映ります。戦時下による議会の機能不全は、内閣を打倒する方法を失わせ、半ば必然的にテロという方法に向かわせます。東條暗殺計画は、図らずも同時並行的に二つありました。一つは敵対していた海軍から、高木惣吉少将をは2018/03/15
しお
2
下巻は憔悴する東條とその周囲の工作の様子が描かれる。記録以上のことは分からないが、日本人の目に映る巨大組織のイメージは、令和の時代でも変わっていないことが改めて認識させられる。民も靡きやすければ臣も靡きやすしなお国柄。戦後米国のとった3S政策が見事に戦後日本という素晴らしい国を築き上げた要因になったことがよく理解できる。226事件がなければ、また、永田鉄山が生きていれば、どうなっていたのだろうか。時代は流れる。2023/08/29