出版社内容情報
人生は、にがいのだ。大阪で36年、猫と暮らして22年。7年間の人生の記録。生活史研究で知られ、大阪と沖縄、そして音楽に魅せられた社会学者が綴る、発見と内省、諧謔と哀切に満ちた日記。ウェブマガジン「考える人」の人気連載に、最愛の猫とのかけがえのない日々を書き下ろした「おはぎ日記」を併録。
内容説明
人生は、にがいのだ。大阪で36年、猫と暮らして22年。7年間の記録。生活史研究で知られる社会学者の人気連載を一冊に。最愛の猫との日々を書き下ろした「おはぎ日記」を併録。
目次
にがにが日記(二〇一七年四月二日‐四月八日;二〇一八年一月十五日‐八月二十四日;二〇一九年三月二十日‐五月四日;二〇一九年九月一日‐十一月十日;二〇二〇年一月五日‐十二月十四日;二〇二一年一月十二日‐二月四日;二〇二一年八月二十日‐十二月三十一日;二〇二二年七月二十九日‐八月四日)
おはぎ日記
著者等紹介
岸政彦[キシマサヒコ]
1967年生まれ。社会学者。著書に『断片的なものの社会学』(紀伊國屋じんぶん大賞2016受賞)『リリアン』(織田作之助賞受賞)『東京の生活史』(編書、毎日出版文化賞、紀伊國屋じんぶん大賞2022受賞)など
齋藤直子[サイトウナオコ]
1973年生まれ。社会学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
pohcho
59
基本的に日記好きなので、最初は少しずつ読もうと思ってたのに、面白くて一気読み。年齢が近く同じ大阪出身なので、ずっと知り合いのおしゃべりを聞いているような気持ちに(こんな知り合いおらんけど)。京大の大学院で教えるってすごいと思うけど、お給料は安いのね(国立だからかな?)最近よく言われているように、文系の研究者は大変なんだなあと。最後のおはぎ日記つらかった。こんなに愛されて、おはきなちゃんは幸福だったと思うけど。生活史シリーズはいつか読みたい。2024/01/20
しゃが
44
『にがにが日記』というより岸さんの生活史だった。論考や小説、愛猫家、彼のバックボーンを知らなくても私は面白かったのだろうか、と。だらだら続くように見せて、時折見せる社会学者の深い視点、一人の人として素のやるせなくも温かいまなざしが読ませていく。「おはぎ日記」は家族の名前と入れ替えても不思議はないほど愛情あふれる介護であった、癒されがたい忘れがたい哀切だった、何よりそのことを共有できる人と寄り添いあえてよかった。2024/02/23
rors(セナ)
24
にがにが日記は私が関西弁ネイティブだからか、岸先生が横で喋ってる感じのリズムですーっと読めて気持ち良し!しかもあちこち面白い逸話やギャグ(?)に涙が出るほど笑ってしまった。おもろい!! 巻末のおはぎ日記は字体も段組みも変わって、ん?と思いながら読んだら…これは辛すぎる。一気に読めず。けど、、、おはぎちゃんは幸せやったなぁ。うちのセナ(犬)の最後を思い出し、もう4年もたつのにまだセナを思ってひとしきり泣く。うちも認知症だった。最後まで本当にかわいいんだよなーー…2024/01/13
水色系
21
人生は、にがいのだ。併録の「おはぎ日記」。ときどきTwitterにも出ていた猫・おはぎとの最後の日々をつづっている。あんまり悲しいので休み休みでしか読めず。ずっっと一緒にいられたらよかったのにと、数年前にピーちゃん(長年飼っていたとり)が死んだとき思ったのを思い出した。2023/11/16
Y
20
読み終わりたくなかった。日常にくすっと笑い読んでいる間自分の日常もやわらかい光で照らされてるるような気がした。やさしくてどこかさみしいようなそんな文章にほっとした。猫への思いに共感。気が付くと「おはぎ日記」は読みながらずっと号泣していた。嫌いな人、苦手な人についての話はすごく勉強になった。対策として「過去の会話を反芻しない」こと等挙げていたがめちゃくちゃ納得したので参考にさせてもらう。音楽に関する話もすごくよい。学生さんといい関係がずっと続いていてすごいな~と思う。自分も岸先生のゼミに入りたいと思った。2023/12/19