出版社内容情報
希望と絶望、そして祈り――男たちを戦へ駆り立てるすべてが、この島にあった。兵力わずか四千の毛利元就軍が二万八千の陶晴賢軍を打ち破った名勝負の影には、壮絶な人間ドラマがあった。「これまで誰も書きえなかった厳島合戦の全貌を描き、我が国の歴史文学の空白を埋める記念碑的作品」――縄田一男氏絶賛! 謀略で勝利した元就と義を貫いて敗れた晴賢。対照的な二人の武将を通して人間の矜持を問う!
内容説明
最強の智将・毛利元就VS.山陽道一の忠臣・弘中隆兼。“戦国三大奇襲”に数えられる「厳島の戦い」。兵力わずか四千の毛利元就軍が二万八千の陶晴賢軍を打ち破った名勝負の陰には、壮絶な人間ドラマがあった。謀略で勝利した元就と、義を貫いて敗れた隆兼…対照的な二人の武将を通して人間の矜持を問う!
著者等紹介
武内涼[タケウチリョウ]
1978年群馬県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。映画、テレビ番組の制作に携わった後、第十七回日本ホラー小説大賞の最終候補作となった原稿を改稿した『忍びの森』でデビュー。2015年「妖草師」シリーズが徳間文庫大賞を受賞。さらに同シリーズで「この時代小説がすごい!2016年版」“文庫書き下ろし部門”第一位に。2022年『阿修羅草紙』で第二十四回大藪春彦賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
195
武内 涼、初読です。毛利元就の厳島合戦、迫力がありました。厳島神社⛩️には2回行ったことがあります。https://www.shinchosha.co.jp/book/350644/2023/05/30
パトラッシュ
140
毛利元就の冷血な謀将ぶりを強烈に描く。陶晴賢を慕う息子元春に対決を強要し、本当に殺したい敵である江良房栄を陶の命令で討たせ、偽情報を信じさせるため余命僅かな間者に平然と死の任務を与えるのだから。民を慈しみ主君に忠義を尽くす正統派武士である弘中隆兼にとって、目的のためには手段を選ばぬ元就は絶対に倒すべき敵となった。しかし元就の謀略に乗せられて厳島に上陸した弘中ら陶軍は、容赦なく追い詰められ全滅する。勝つための準備を怠らない元就の才は鮮やかだが、孫の輝元には全く受け継がれなかったと示すラストは皮肉な味を残す。2023/06/16
のぶ
101
時代小説はいろいろ読んできたが、毛利元就あたりの西国を舞台にした作品は初めて読んだ。わずか安芸と備後の二ヶ国しか所有していない小大名に過ぎなかった毛利元就が、それまで服従していた西国六ヶ国を支配する陶晴賢に反旗を翻し、独立を図った厳島の戦いの前後全てを描いた戦国小説。四千の寡兵をもって二万八千の大軍を擁する陶晴賢に勝つために元就が取った作戦は謀略だった。戦に謀は付きものだが、本作に描かれる元就の謀略は凄まじい。全体を通して読み応えがあり、迫力満点の一冊だった。武内さんは初めて読んだが今後注目したい。2023/05/24
ゆみねこ
61
毛利元就軍四千と陶晴賢軍二万八千、厳島の戦いの全貌を描いたもの。元就の謀略と、陶晴賢の忠臣・弘中隆兼を対照的に。武内涼さん、初読み。2023/07/29
ぼっちゃん
58
【第45回吉川英治文学新人賞候補作】毛利元就と弘中隆兼が戦った厳島の戦いの物語。毛利元就が中国地方をどのように手に入れていったか初めて読んだが、こんな戦略家だったんだ。戦略家の元就と信に重きを置き義を貫く隆兼との対比が面白かった。【図書館本】2024/02/09
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